2025年5月13日火曜日

人工知能・生成AIの未来は、人類を超えるだろう 〜サム・アルトマンの談話から〜

 

 AI Ascent 2025 におけるサム・アルトマン(Open AI)の談話がかなり興味深かったので、現在人工知能と生成AIの最先端にいる彼の考え方から、未来の様子を想像してみたい。


 そのオリジナル談話は、youtubeにある。



 字幕を日本語にすれば、翻訳したものを同時通訳できるが、武庫川ならではの「意訳」をつけておくので、ざっくりと理解してほしい。


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もともと「投資を維持できるビジネス」として何をするかを考えていた。


GPT3を発表したが、あまり注目を集めなかった。


ビジネスとしては成功していなかったが「人々はGPTと話すのを面白がった」


APIの著作権ビジネス以外では、唯一の「特筆すべき使い方」だった。


それがChatGPT=対話できる製品へとつながった。


(中略)


モデルは改善に取り組んでいる最中だが、ChatGPTは優れたモデルであり、小さなモデルから大きなモデルまで動かすことができる。


今後、人工知能はOSに似たようなものになるべきだと思っている。どんなプラットフォームになるかはまだわからないが実現したい。


良いモデルを作り、それを送り出すことがこれからも務めだ。


目標を設定して逆算するのではなく、来年の製品を今考えるというのではなく、目の前のステップを進めてゆく。


(中略)


20歳の人と35歳の人では、ChatGPTの使い方が驚くほど違う。


こどもたちがスマホをすぐ使いこなしたのに対して、老人は3年もかけて習得したように、いま世代による分断が進んでいる。


若者はまるで人工知能をOSのように使いこなしており、複雑なプロンプトでも入力できる。


また、人生の重要な決断をChatGPTに尋ねるという特徴も見られる。


老人はグーグルの代わりに検索のように使っており、20〜30代の若者は、人生相談のような使い方もしている。


(中略)


将来的にはChatGPTを使って他のサービスにログインするような統合が行われるだろう。


また個人に最適化されたパーソナルなAIが使えるようになるはずだ。


(中略)


音声が取り扱えることはとても重要だと考えていて、多くの人が音声機能と連動させて使いたくなると思う。


音声との連携が実現すれば、まったく新しいデバイスも考えられるだろう。


また、人工知能はテキスト生成という意味ではなく、コードそのものを返すようになるだろう。


よりスマートになるということは「アシスタントからエージェントになり、そしてアプリケーションそのものになる」ということだ。


もし、アルゴリズムのブレイクスルーが起きれば、10倍から100倍くらいの飛躍が起きる可能性はある。


(中略)


目標にしているのは消費者にとって、できるだけスマートかつ安価なモデルを作ることである。


もちろんある種の理想とされるのは、「人生のすべてを詰め込んだ人工知能モデル」のようなもので、これまでの人生のすべての会話や知識、あるいは見たものすべてが追加されるようなものですが、それは現状では実現していない。


しかし、最終目標は、そうしたモデルかもしれない。


今後もインフラとモデル、あるいは技術が統合されるような仕組みを構築してゆくつもりである。


2025年以降はエージェントがコーディングできるようになり、またそれ以降はAIが何か科学的な発見をするようになるかもしれない。


そして2027年には、物理的なロボットが使い物になると予想している。僕の頭の中ではね。


GPT5が登場すれば、ここにいる人類すべてより賢くなる可能性があるだろう。GPT3〜はすでに賢いが、まだわずかに人間のほうが賢いかもしれない。


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 人工知能のもっとも初期のアイデアは、武庫川さんもよく引用する「アラン・チューリング」の「チューリングマシン」や「オートマトン」に見ることができる。


 そもそも計算機とは、一本のテープに「この世のすべてを書き込んで、計算する」という壮大な夢を持つものであった。

 もしそれが実現すれば、この世界をまるごと「コンピュータ・テープ」に書き表すことができ、なおかつそれから未来も書き出せるはずだったのだ。


 実は今回、サム・アルトマンが言っていることは、その計算機の原点とおなじことを意味している。


 つまり、ChatGPTなどの人工知能の元データは、これまで人類がネット上に書き残してきたすべてであり、それを原簿にして推論のすべてを書き出すことができる、というわけだ。


 あるいはそれを個人に置き換えれば「その人が生きてきたすべてを元データとして、”人生のすべてを詰め込んだ人工知能”を作ることができる、とも言っているのである。


 そして、それは、手の届く未来である。


 2022年にChatGPTの萌芽が生まれてから、たった3年でここまで来たのだから、


◆ もし人工知能がセンサー(五感)を身にまとえば

◆ もし人工知能が肉体(ボディ)を身にまとえば


 それがいかに人間を凌駕するかは、想像に難くないし、アルトマンは、そういうことを「やる」つもりだと言っているのである。


 そして、人工知能自身が「コード(プログラム)」をおのずと書き始める時がくるだろうことも示唆している。


 その未来は、私たちが生きている間に見ることができるだろう。それ、はかならずやってくる未来である。


 もはや、引き返すことは、ないのだ。


(おしまい)



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