2019年1月23日水曜日

男性優位社会が出来上がった理由 ~レイプは本能なのか?~



「不都合な真実」という言葉が、けっこう流行しているように思います。


 ことばそのものは、2006年のアメリカ映画を2007年に日本公開したときの邦題に由来するものだと思いますが、



 原題は An Inconvenient Truth



と、意外とそのまま。



「不都合な真実」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E9%83%BD%E5%90%88%E3%81%AA%E7%9C%9F%E5%AE%9F



 このことば、ニュアンスとしては、「一般的に受け入れられている言説、常識的に信じられている観念に対して、それとは異なるエビデンス、証拠がでてきてこんにちは」みたいな感じで使われているのですが、 それをもっとも端的に示した書物が


橘玲さんの

「言ってはいけない ~残酷すぎる真実~」



「もっと言ってはいけない」




でしょう。(いずれも新潮新書)





 このシリーズで、徹底的に証拠に基づきながら語られるのは


「努力の結果は遺伝による能力の伝達に劣る」

とか

「人はそもそも平等ではない」

とか

「人種間に能力の違いがある」


といった、いわゆる現代のベースとなっているリベラル的信念を否定するような話のオンパレードです。



 まあ、そうした遺伝学的な話や、あるいは人種間の違いなどは、詳しくは橘さんの本を読んでいただければよいのですが、この本を読んでいて、長年の疑問がなんとなく解決しそうな気がしてきました。



 それは、


「どうして男性優位社会が出来上がったのか」


「どうして男性は暴力的に女性を支配するのか」



もっと嫌な言い方をすれば


「どうして男は女性をレイプするのか」


という疑問です。



 ワタクシ武庫川のブログをずっと読んでおられるコアなファンの方は、私がずっとこの疑問を抱きながら、その時々にいろいろ論考を重ねていることを知っていると思います。



 先に申し開きをしておきますが、私自身は


「女性を大事にするべきである」


と思っているし


「女性と男性は、性差はあるが、ある意味においては平等であるべき」


であると思っています。その上での、疑問だと理解してください。




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 先日の当ブログ記事



 日本、そしてセカイの破滅と近代化は関係があるか。 その2
 https://satori-awake.blogspot.com/2019/01/blog-post_8.html
 


 でも、少しこれに関する話を出しましたが、


「どうして男性は、自分より劣ったと考える女性に対して欲情するのか」
 (逆を言えば、男性は東大女子に襲い掛からず、そこらへんの女子をターゲットにするのか)


ということは武庫川にとっては、長年の疑問でした。




 そして、この長い人類の歴史において


「どうして男性優位社会ばかりが続いてきたり、女性優位社会が形成されなかったのだろう」


ということも、何か秘密が隠されているように思っていたのです。




 それが、橘さんの「もっと言ってはいけない」あたりを読むことで、おぼろげながら答えが見えてきたように感じます。




 その結論の基本は



「女性のほうが、男性よりも、動物的には優位である」



という男性には不都合な真実です。







 先日の女子の医大入学差別の件をみてもわかるように、


「おなじ土俵で試験をしたら、女性の方が高得点になってしまう」


こともそうだし、


「女性のみが、(望むと望まざるとに関わらず)自己遺伝子を確実に複製できる」


ということもそうです。



「子供の能力は、母親からの遺伝で決定される部分がある」


というのも、関係しているかもしれません。






 となると、おそらく、すべてのエビデンスをつけあわせてゆくと、


「女性のほうが、男性よりも優秀」であることは間違いなく、そして、女性だけが「自己複製を行える(出産機能を持っている)」と言えるのです。




 これは、別の角度から見れば、



大変に不公平



であると言えるかもしれません。





 男性には自己複製権がなく、女性に複製権をゆだねなくてはならない。そして遺伝学的には、生物の能力としては女性のほうが優秀である、とすれば



どうすれば男女は平等に近づけるでしょうか?



という新たな課題が生まれます。



 その答えが、




物理的な暴力性によって、差を補填する



(つまり、力の行使を常に行うことで、平等に近づこうとする)



働きではないか?と考えるのです。


 つまり、男性はそもそもの不平等を解消するために「力を行使する」という方向に進化し、社会もそれを積み重ねてきたのではないか?という仮説です。


(もちろん、まだエビデンスはありませんが)




 こう考えると、すべてのことがつじつまが合うように、ピースがぴったりとはまってくることに戦慄を覚えます。




「もっと言ってはいけない」の中では、現生人類が、近縁種のほかの人類に対して



「男は皆殺しにし、女はレイプしまくって」



生き延び、今の遺伝子を作り出していることが描かれていますが、 どうも、ヒトにはそういうシステムが本能のようにあるのではないか?と思うと、恐ろしい気もします。






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 もう一つの疑問、「なぜ男性はより能力の高い女性をめざして欲情しないのか」という点についても、「もっと言ってはいけない」に収録されているグラフをみれば、解決してしまいました。



 女性が男性に求める普通の感情は「より優秀である男性を好ましいと思う」ということは、一般的に理解できると思います。


 男性が女性に求める普通の感情は「より若い女性を好ましいと思う」ということも納得が得られるでしょう。



 しかし、女性は「より若い男性を好む」傾向を持っていないし、男性は「より優秀な女性を好む」という傾向を持っていないのです。




 これは、



「男は、誰でもいいから若い女性を好む」



と言い換えることもできるでしょう。



 「もっと言ってはいけない」にはその理由の一端が間接的に書かれています。



 どういうことかと言うと、



◆ 男性の能力は、低いほうから、高いほうまですそ野が広く広がっていて、その頂上は中間地点にある。



◆ 女性の能力は、中央により近づいており、すそ野は広がっていない。そして、その頂上は、中央付近で高い山になる。



というグラフが出てくるのです。




 このグラフにおいて、統計学的にみてみましょう。



 ◆ 優秀な男子にとっては、自分より優秀な女子はあまり存在しない

 ◆ ふつうの男子にとっては、 ふつうに出会う女子はたいていが自分より優秀



ということがわかるでしょうか。





 これが答えなのかもしれません。




 つまり



◆ 優秀な男子にとっては、自分より優秀な女子はそもそもいないので、自分より劣ったものに劣情を抱くしかない。



◆ ふつうの男子にとっては、相手が優秀かどうか考えず、とりあえずセックスをしておけば、相手は必ず自分より優秀



ということになるのです。



 だから男子は、相手が優秀かどうか、気にしないのです。なぜなら確率的には、ほとんどの場合、出会った女性は優秀だからです。






 そして、女性から見れば、自己複製権というものすごい権利を持っている女子だからこそ



◆ たいていの男子は、自分よりバカなので、権利を効果的に行使するには、優秀な男子を求め探すしかない



ということになるのではないでしょうか?




 これもまた、恐ろしい真実です。



 こうしたことから、男子たるものは原始の世界では暴力性のみを身につけてゆけば、高い確率で優秀な遺伝子を残すことができた、ということかもしれません。



 つまり、レイプは本能の可能性がある、ということです。




 ぜひ、反論や反証を探してみたいものです。








 




















3 件のコメント:

  1. こんにちは。この書籍に出てくるグラフって実は1930年代の研究なんですよ。
    近年は分布の違いが出なかった研究も多いらしく、時間で変化してるようです。
    下の方は知的障害が関係するから差が大きいけど、上の方はあまり差は無いらしい。

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    1. それは興味深いお話ですね。

      男女の能力差がないとすれば、もっと単純に

      「男性は女性の若さだけを求めるので、若ければ誰でもいい」

      「女性は男性の遺伝子の有能さを求めるので、種内でのポジション合戦に勝つタフガイや、優秀な知性を持つ相手を選ぶ」


      ということなのかもしれません。

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  2. 返信ありがとうございます。
    自分が読んだ科学の書籍には、オスの嫉妬心がメスの行動範囲の抑制に繋がったという研究が載っていました。鳩なんかもオスは自分の配偶者のメスが別のオスの横にいるとその間に割って入るwという行為が観察されているしいです。人間も、実は性的積極性の男女の違いは「現代の社会のデートレイプ」の可能性を想定していただけで、安全だと女性も男性と同じくらい積極的だったという結果が出ています。だから抑える必要があったのかも。
    別の書籍では、18~19世紀などに女性に学問や大学進学を強く禁じた理由の一つに「学をつけたら女が不妊になり子が産まれなくなる(当時は強くそう信じられていた)心配」「女が学を付けたら今の社会格差を維持できなくなるという不安」とありました。なので生殖への心配もひとつだと思います。

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