2019年1月26日土曜日

「お客様は神様」なんて理論はもう古い! すでに「おれ様!」の時代が始まっている。



 モンスター・クレーマーやら、モンスター・ペアレンツやらが巷の話題に上って久しいのですが、そうした過大要求に対して、提供者の疲弊がニュースになるにつれ


「お客様は神様です、という言説はそもそも違う・間違っている」


ということが話題になります。


  この言葉の元ネタは、三波春夫さんとされていますが、


「芸事、芸能は、神に対して捧げられた神事からスタートしているので、演じるにあたってはそうしたおごそか・真摯な気持ちをもって臨むのだ」


という演者のスタンスを問うものであって、



「客が神のようにふるまっていい」


という意味ではないということも、すでに充分知れ渡っているでしょう。





 「お客様は神様」という言葉は、ある意味、事態の本質をぼやかしている「幻惑ワード」であるかもしれません。



  そう!本当に起きているのは、「お客様は神様だと思う人たちが増えている」のではないのです。




 「俺様だ!おれさまなのだ!」



と考えている人間が、とっても増えているというのが、ぶっちゃけの真実ではないでしょうか。




  これまで、その視点について指摘した人はあまりいなかったのですが、いよいよ論説も出て参りました。



「お客様は神様」を振りかざすモンスター客が増えている

https://mi-mollet.com/articles/-/15552



  ・・・・・・タイトルがちょっとミスリードを誘いますが、中身は興味深いです。ぜひ元ネタをどうぞ。



 この方の論考のするどいところは、2つの新たな視点を盛り込んでいるところ。



■ どうも、モンスターに加担するやつは、こちらの側にもいるらしい。


■ お客様が神様という事態は、そもそも存在しなかったのでは?



 この2つの視点は、まったくもってその通りの部分があり、斬新です。



 まず、誰か提供者がモンスタークレーマーの餌食になっている場面を想像してください。


 そこで、本来は味方のはずの、同僚や仲間が、彼や彼女だけに任せたり、見て見ぬふりをすることは、思い当たる場面ではないでしょうか。


 けして、従業員全員で別室へ連れて行って、管理職が何人も出てきて取り囲んで話を聞く、なんてことはやってくれません。


 そう!敵は味方の中にもいることが多いのです。




 そして、逆に、特に高度成長期から80年代・90年代ぐらいまでは、消費者は「企業の食い物」になっていたことが大半でした。

 顧客満足度、なんて言葉はつい最近出てきた言葉です。


  企業の側が、都合のよさげな「顧客満足」なんて視点を持ち出したから、顧客はそれにノッてきたという部分もあるかもしれません。




 そこで、この記事主の加谷さんは喝破します。解脱者・武庫川も、これを読んだ瞬間ニヤリと笑わざるを得ませんでした。



 それはこんな視点です。



”日本はもともと「お客様は神様」という文化なのではなく、

顧客なのか、サービス提供者なのかに関わらず、

自分が有利な立場だった場合には、

相手に対して暴力的、威圧的に振る舞おうとする人がかなりの割合で存在する”




 これ!これよ~、これこれ。




 日本人は、実は「おれ様」なのです。それを使える瞬間を見逃さず、相手の弱点を突いていきます。


 そして、そういう人たちが、体面を気にせず直接的に行動を起こすようになってきたのが、現代ということです。





 武庫川は、「これから時代は戦国時代の様相になる」と常々考えています。


 古いシステムや、規制、伝統やしばりのようなもの、あるいは「昔はうまくいっていた体制」などがきしみはじめると戦国時代はやってきます。


 古い体制や習慣を否定し、おのれの才覚と暴力的実力でものごとを推し進めようとする



 下克上



的な発想が、これからはどんどん世界的にも増えてゆくでしょう。



 もう、


「おまえさま・・・」


とやさしく語りかけてくれる市原悦子さんはいません。



おれ様たちは、どんどんとやっかいな存在になることでしょう。


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