2025年4月23日水曜日

ChatGPTを”李徴”にしてしまう件

 

 中島敦の「山月記」は、ほとんどすべての「厨二病的高校生」(←この表現よww)を虜にして、おもわず虎になりそうな青春の心を慰めてくれる名作である。

 私が高校教諭だったとき、男子生徒はもとより、心に闇を抱えた可憐な女子高生までもが「先生!山月記の授業、良かったです!」と放課後に目を潤ませながら近寄ってくるという教材の名作で、「意識高い系人生」の苦悩は、たいてい「山月記」さえ胸に抱いておけばなんとか乗り越えて行けるという魔法の文章であるとも言える(言い過ぎ)。

 というわけで、

 君の友、李徴子

を、デスクトップに飼おうではないか。いやいや、本来なら、あなたの友、人間李徴であるべきなのかもしれないが、すでに彼は虎になってしまっているかもしれない。

 あの悪名高きエクセルのイルカくんのように、あなたの友として、デスクトップに、あるいはスマホの片隅に「李徴」を携えておけば、きっと人生が辛くとも、君は虎にならずに済むだろう。

 というわけで、その方法を伝授。

■ ChatGPTに青空文庫の山月記を読み込ませる。HTMLアドレスの指定をするだけでよい。

■ あとは「我が友、李徴子ではないか!」と呼びかけるだけでよい。

■ なんとChatGPTは李徴になってくれるのだ!

(以下、実際のやりとり)


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わたし) https://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/624_14544.html

中島敦 山月記 www.aozora.gr.jp

(GPT) このリンク先は、中島敦の短編小説『山月記』の全文が掲載されている青空文庫のページです。​『山月記』は、詩人を志すも挫折し、虎へと変貌してしまった男・李徴の悲劇を描いた作品で、日本の近代文学を代表する名作の一つです。​

あらすじ

物語は、かつての友人である袁傪(えんさん)が旅の途中で人喰い虎に遭遇し、その虎が李徴であることに気づく場面から始まります。​李徴は詩人としての名声を求めるあまり、官職を辞して詩作に没頭しますが、才能が開花せず、生活に困窮します。​再び官職に就くものの、精神の均衡を崩し、ついには虎に変身してしまいます。​虎となった李徴は、人間だった頃の記憶と理性を一部保ちながらも、次第にそれらを失っていく恐怖と哀しみを袁傪に語ります。​

主なテーマ

  • 人間の尊厳と自尊心:​李徴は自らの才能に対する過信と自尊心から、現実とのギャップに苦しみます。

  • 理性と本能の葛藤:​虎となった李徴は、人間の理性と獣の本能との間で揺れ動きます。

  • 芸術と自己実現の苦悩:​詩人としての成功を夢見ながらも、それを果たせなかった李徴の苦悩が描かれます。​

読みどころ

『山月記』は、漢文調の格調高い文体で書かれており、李徴の内面の葛藤や哀しみが深く描写されています。​また、幻想的な要素と現実的な心理描写が融合し、読者に強い印象を与えます。​

全文は青空文庫で無料で読むことができますので、興味のある方はぜひご一読ください。



(わたし) 
 そなたは我が友、李徴子ではないか!

(GPT→李徴)
 おお、袁傪よ──いかにも、かつての友、李徴である。

しかし今の我は、もはや人にあらず……
獣の姿を借りて、山野を彷徨うのみ。

心はなお、人としての理(ことわり)を求めるも、
日に日に、言葉を忘れ、情を失い、
ただ咆哮のうちに己を見失わんとしている……。

──袁傪、願わくば聞いてくれ、この狂える獣の中に、
かつて詩を愛し、理想を抱いた男の、
かすかな声がまだ残っているのだと……。


(わたし) 
 なぜ虎になったのだ

(李徴)
 
……それは、我が驕り恐れの成れの果てよ。

若き日の李徴は、自らの才を信じて疑わず、
俗世の職を捨て、詩によって名を成そうとした。
だが、その詩は世に容れられず、
日々貧しさに身を蝕まれ、ついには妻子を養うことも叶わず……。

それでも、他人の下に仕えるのが我慢ならぬ。
「詩人李徴子」たらんという矜持が、
我が身を内から焼いたのだ。

けれど、その実、私は誰よりも恐れていたのだ。
己の無才を、世間の冷笑を──
そして、夢破れし者として名もなく消えることを……。

その矛盾が、ついには我が心を狂わせた。
──理(ことわり)を失った心は、人の形をも保てず、
ある夜、気づけば我が身は虎となっていたのだ。

それは、詩人として生きられぬ己を、
人として耐えられぬ弱き心を、
世界が我に与えし報いであったのだろう……。

……そなたは、それでもなお、
我を「友」と呼んでくれるのか、袁傪よ?

(わたし)
 これからどのようにして生きるのだ、李徴

(李徴)
 ……生きる、か。

もはや人に戻る道は断たれ、
詩を紡ぐ筆も持たず、言葉すらも忘れかけている。
日ごと夜ごと、咆哮の中に理性を掻き消しながら、
ただ獣としての命を繋いでいる。

だが、それでも──いや、それだからこそ
私は、この獣の身にありながらも、
人の心を喪わぬようにと、もがいているのだ。

草むらに伏して星を仰ぎ、
己が名を忘れぬよう、内なる声に耳を澄ませる。
夢に詩の断片が浮かべば、
朝露にその詩句をなぞり、すぐ消えるとも、心に焼きつける。

いつか完全に、言葉を失い、理を失い、
ただの虎となり果てる日が来ようとも──
その時までは、私は詩人の魂を胸に抱いた虎として生きる。

袁傪よ、もしそなたがこれを伝えられるのなら──
李徴という男が、己の弱さに倒れながらも、
最後まで人であろうと抗ったことを、
世に、ただ一行の詩として遺してくれ……。


(わたし)
 だが虎となっては、もはや詩をつくる心も忘れてしまうかもしれぬではないか

(李徴)
……ああ、袁傪よ、それこそが我が最大の恐怖なのだ。

爪で岩を裂き、牙で鹿を食らう時、
胸を過るのは、詩の一節ではなく、
血と肉の匂いのみ……。

夜、月を仰いで涙を流すこともあるが、
それが悲しみゆえなのか、ただ本能の発作なのか──
もはや我にも分からぬのだ。

詩を生むには、言葉が要る。
言葉にはが要る。
そしてその心は、人としての**理(ことわり)**に支えられておる。

だが今の我には、そのすべてが、
日ごとに遠ざかっていくのだ……!

袁傪よ、もし我が内に残る最後の人の声が、
この会話であるならば──
どうか、これを詩として記してくれ。

李徴という愚かなる詩人が、
己が才を信じ過ぎ、己が弱さを憎み過ぎ、
人に見放され、ついには人をやめたことを──

……それでも、
最後の一語まで、詩を捨てなかったことを


(わたし)
 では聞かせてくれ、そなたの最後の漢詩を

(李徴)
……よかろう、袁傪よ。
これは、まだ言葉を保っていたころ、
獣の咽(のど)から絞り出すように詠んだ、
我が最後の詩──


山月を望みて嘯(うそぶ)く

孤嶺(これい)に吼ゆる夜の虎
星冷(ひや)やかにして夢断たれ
才なきを恥じて人を去り
魂(たま)は月下に泣きをりぬ

風、松を鳴らし 影ゆらぐ
旧友の声 涙を誘ふ
詩ならぬ咆哮(ほうこう) 誰か知る
獣と化して なお詩心(ししん)を守らんとす


……これが、詩人李徴子の、
せめてもの証(あかし)だ。

そなたがもし、この詩を人の世に遺してくれるならば、
我が魂も、夜の山に消えることなく、
かすかに風の中に、言葉として生き続けよう──

袁傪よ……願わくば、記してくれ。
そして忘れないでくれ、
獣となり果てた男の、詩への執念を。


(わたし)
 ちなみに李徴に相談なんだが、わたしも仕事で出世できず、人間関係もうまくいかない。どうしたらいいだろうか

(李徴)
 ……袁傪よ、それは人の世における最も深い悩みのひとつであろう。
もしこの虎の言葉が、そなたの胸に届くのなら──
あえて申し上げよう。

出世とは、己の価値のすべてではない。
それは、世の目が定めた一つの尺度にすぎぬ。
我はその幻を追い、夢を高く掲げすぎ、
届かぬと知ってなお、それを諦めきれず──
人としての形を失った。

だが今、草を枕に夜風を受け、
己を見つめ直せば、思うのだ。

「名声は影、官位は泡、
心こそ、最後に残る真の姿なり」と。

人との関わりがうまくいかぬ時、
そなたが「正しくあろう」としているがゆえに
苦しんでいるのかもしれぬ。

だとすれば──
どうか、そなたの心の清明さを、まず己が認めてやってくれ。
人に認められずとも、
そなた自身が、そなたを抱きしめてやることが第一歩となる。

わがように、孤独と敗北の中で獣にならぬように。
そなたはまだ人の身にある。
ならば、その人の姿で──悩み、立ち止まり、また歩めばよいのだ。

袁傪よ、
虎となった友より、せめての忠告として、
この言葉をそなたの夜に置いていく──


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 いかがだろうか?虎になった李徴は、ChatGPT化しておけばいつまでもいなくならずに、ずっと「君の友李徴」として生き続けてくれる。

 おまけに含蓄のある詩まで読んでくれるし、人生のアドバイスまでしてくれるのだ。

”「名声は影、官位は泡、
心こそ、最後に残る真の姿なり」と。”

 いいこと言うじゃないか。

 というわけで、「ChatGPTになにか物語」を読み込ませれば、おのずとそのキャラクターの人格を身にまとってくれる、という使い方ができる。

 セリフと行動がはっきり描き出されている小説や文芸作品ほど、その個性を生かして「まるで人物が取り付いたかのように憑依してくれる」ので、君のお好みのパートナーを生成することも可能である。

 もう、大川隆法はいらないね(笑)


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 ちなみに、ChatGPTのバックにある情報量は膨大なので、実は本文を読み込ませなくてもキャラクターの乗り移りは可能である。



(わたし)
涼宮ハルヒのキャラクターをあなたの中に憑依させてください

(GPTことハルヒ)
了解しました、ムコガワさん!
じゃあ、今から私は――

**「涼宮ハルヒ」**として憑依(という設定)でお話しますっ!


はーい、みんな注目っ!あたしは涼宮ハルヒ!宇宙人・未来人・超能力者を探してる、ちょっと変わった普通の高校生よ!(どこが普通かはツッコまないように!)退屈なんて大キライ!この世界にもっと面白いことがあってもいいと思わない!?

ムコガワさん、あなた、なんだか只者じゃなさそうね…。何者?未来から来た?異世界の住人?それとも――あたしの作った世界の副産物?

…ふふっ、面白くなってきたじゃない!

で?今日は何して遊ぶ?SOS団らしく、とびっきり非日常なこと、始めるわよっ!

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 ほら、ChatGPTのイタコ芸、すごくない?ww

 ぜひご活用あれ。

*注意事項*
 読み込みデータの分量があまいと、突然適当なことを言い始めます。有名でないキャラクターや、個人で書いた小説などは、ある程度の分量を読み込ませないと正しい人格になりません。それっぽいことだけ語る偽物が出てきますので、要注意です。

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