2022年12月16日金曜日

どうか、この泥棒めに盗まれてやってください 01

 

 

「私の獲物は、悪い魔法使いが高い塔のてっぺんにしまい込んだ宝物。

どうか、この泥棒めに盗まれてやって下さい」

 

 

 ・・・さて。全国1億二千万人の武庫川さんファンのために、いちおうは公的な話、普遍に通じる話をブログで公開しているのだが、今回はちょっと業務連絡的側面が強い。

 

 なので、あとで整理して、この記事については改訂の上、再公開する予定であるが、まずはざっくりと。

 

 というもの、どうもPCの調子が悪く、ネットに繋げたり繋げなかったりするので、PC上で原稿書きするのを諦め、とりあえずブログとか、noteのオンラインエディタに書きこんでおいて、あとでテキストとして引っ張り出して整形しようと目論んでいるのだ。

 

  なので、bloggerさんをエディタ代わりに使っている。

 

 

 もとい。 冒頭の台詞、今や老若男女誰もが覚えていて、TVの金曜ロードショーではアホみたいに再放送しているので、 みなさんもよくご存知であろう。

 

 そう、かの希代の大泥棒、ルパン三世の台詞である。

 ぼく、宗教二世。



  この台詞、カリオストロの城に幽閉されていたクラリスのところへ、ルパンが現れて言ったものだ。

 

” 「私の獲物は、悪い魔法使いが高い塔のてっぺんにしまい込んだ宝物。どうか、この泥棒めに盗まれてやって下さい」
 

「わたくしを?」

 

 頷くルパン
 

「金庫に閉じ込められた宝石たちを救い出し、むりやり花嫁にされようとしている女の子は、緑の野に放してあげる。これみんな、泥棒の仕事なんです」”

 

 塔に幽閉された女の子のモチーフで言えば、「塔の上のラプンツェル」のほうも十分有名だが、個人的にはこちらのルパンのほうが好きである。

 

 なぜなら、この自称解脱者、武庫川さんもどちらかと言えば、『泥棒』寄りだからである。

 

 そもそもまともな人間であれば「解脱者」を自称しない。実は来年そうそう、キリスト教かいわいのお招きで「武庫川散歩」名義のトークショー(笑)のゲスト出演があるのだが、

 

「え?解脱者がキリスト教界でデビューするんですか?世も末ですね!」

 

と、弟子のハガネちゃんに爆笑された。 そうなのだ。時代は世紀末・ハルマゲドンが近いかもしれないぞ。

 

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 そーんな与太話、落語のマクラみたいなのがあまりにも長いので、本題へ行くのを忘れそうだが、


 希代の解脱者、武庫川さんも塔に囚われた「か弱き少女」を救いに来た。


 その塔とは、いわずもがな、「ものみの塔」である。


 ものみの塔のてっぺんに幽閉された少女に、解脱者のおじさま(←オイ)は言うのである。

 

「どうか、この泥棒めに盗まれてやってください」と。

 

 

 そして、物語の最後には、銭形警部にこう言われるだろう。


『奴はとんでもないものを盗んでいきました ・・・あなたの心です』

 


 ルパンごっこはいいから、早く本題へ行け!!!!!

 

 はい。

 

 

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  宗教2世問題が社会的に取り沙汰されるようになり、山上事件から急転直下、統一教会をはじめとした多くの新興宗教の現状が着目されるようになったが、これは実は

 

「政府や公的な機関から、宗教団体に対してメスが入った」

 

わけではない。そうではなく、山上事件とリンクして、

 

「多くの宗教2世当事者から、実態についての叫びが溢れ出た」

 

のである。

 

 そもそも、山上容疑者の行為も、これに類するものであり、この日本中に渦巻くものすごいエネルギーが、社会を突き動かしている真っ只中に僕らは、いることになる。

 

 政府の落としどころは、基本的には統一教会への締め付けであろうから(そうでないと創価学会へ飛び火する)、他の新興宗教団体へは、さてどこまで制限を加えることができるか現時点では不明だ。


 ただ、そうした公的支援、援助のみならず、私は泥棒さんであるから、こちらはこちらで銭形のとっつぁん達には頼らず、盗みを決行するわけだ。


 そのとっかかりが、今回書き始めたこのシリーズということになるだろう。

 

 

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 ものみの塔、つまりエホバの証人の教義は、シンプルに整理すれば以下の通りである。

 

「もうすぐハルマゲドンがやってきて、人類は審判を受ける」

「その時、エホバを信じるものたちだけが救われ、天国(もしくは地上の楽園)へ行ける」

「だから、一人でも多くの人にこれを伝えるために、毎日玄関ピンポンして回る」

 

というものだ。

 

 ただし、この本質部分を抽出してしまうと、逆にこの宗教のカルト性を見失うことになる。

 

 なぜなら、上に挙げた3つの項目は、基本的には既存のキリスト教と別になにも変わらないからである。

 

 カトリックもプロテスタントも、ベースは同じだ。

 

ハルマゲドンが来る。楽園がくる。信じるものは救われる。伝道しよう。

 

 これはどのキリスト教でもいっしょで、なんならザビエルだって戦国時代からやっていることである。

 

 

 では、この「塔」のカルト性はどこに起因するのか。なぜこの「塔」は人々の心を閉じ込め、幽閉し、その中で壊してゆくのか。

 

 それは次の二点で説明できるだろう。

 

◆  救済と審判という霊的、心象的なものを具体的期日を示して具現化したこと。


◆ 聖書原理主義を標榜しながら、オカルトまがいの理論を設計したこと

 

である。

 

 この言い方だと、何を言っているかわからないが、もっと平たく言おう。

 

◆ 「ハルマゲドンが、西暦何年何月何日に来る」と明言したこと。

 

◆ 「聖書に忠実に読み、読解するという行為に、オカルトを加算したこと」

 

である。



 エホバの証人の行動原理は、実はすべて最初の項目に起因する。宗教2世に対する虐待が行われるのもそうだ。

 

 ハルマゲドンが、「わたし・あなたが生きているうちにくる」から、組織に従わねばならない

 

という理屈なのである。 


 他人事だと面白いだけだが、エホバの証人はこの「期日」を外しまくっていて、本来的にはそこになんのリアリティもないのだが、信者にとってはそうではない。

 

「具体的期日」

 

が設定されていることは、体感的な恐怖を呼び起こし、また期待を生じさせる。虚構と現実がそこで交差するから、オカルトがオカルトではなく、真理になってしまう。

 

 いや、真理に見えてしまう、といったほうがいいだろう。

 

  虚構と現実、イマジリィとリアリティ。

 

 他者からみれば笑い事の「エヴァンゲリオン」もどきに過ぎないが、それこそ信じるものにとっては

 

 すべては真理で現実

 

だと思っているのだ。そこは笑ってはいけないし、笑えない。

 

 だからこそ、その塔から救いだし、盗み出すことが必要なのである。

 

 

========

 

 まず、押さえておかねばならないのは、宗教界、あるいはカルト界隈において「期日を設定する」というのは最大の危険行為である。

 

 「具体的期日にハルマゲドンや最終戦争が起こる。あるいはキリストが再臨する」

 

という思考は、かならず破滅をもたらすヤバい教理である。なぜなら、

 

「はっきりとその期日に何も起きないことが判明する」

 

からである。(なので、地震予知とかも、これに配慮された運用がなされている)

 

 

 その「はっきり答え合わせがなされてしまう」ということにより、信者はそれまで信じていた心を破壊されるため、その次の行動パターンは限られてくる。

 

◆1 騙された、と我に帰る。

◆2 予言が間違ったことを受け入れられず、こわれた心のほうを擁護する。

◆3 つぎの「より正しい予言」を待ち、期待を更新する。

 

 

1ならばまだマシだ。それでも失われた時間は戻らない。

2の場合、すでに心は二律背反により破壊され、誤ったほうを選択している。

3は先送りだが、永遠に心が囚われたままになる。

 

 ぶっちゃけ、現代のエホバの証人は2と3しかいない。1の人間はすでに脱塔しているだろうからだ。

 

 そして2と3しかいないことは、あるもっと恐ろしい状態を先延ばしにしていることをも意味する。実は4があるのだ。

 

◆4 こわれた心のほうを守るために、死ぬ

 

である。 あるいはエホバの証人の中に、こちらを選択してしまった人がいるかもしれないが、その人はもう語ることはできない。



 さて、ここで、カルトに詳しいものでなくても、この4のパターンで大事件をおこした宗教集団があったことを思い出すだろう。それは


「人民寺院事件」と「ブランチ・ダビディアン事件」

 

である。

 

人民寺院

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%AF%BA%E9%99%A2 

 

ブランチ・ダビディアン

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%93%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3 

 

 

 人民寺院は1978年、南米ガイアナ・ジョーンズタウンで「楽園へ行くために」大量殺人と集団自殺で918人が命を落とした。

 

 ブランチ・ダヴィディアンも、1993年の強制捜査の際、本拠地を自ら焼いて81名もの死者を出している。

 

 

 これらのカルト虐殺・集団自殺事件のことはかなり有名なので、ぶっちゃけエホバの証人の兄弟・姉妹であっても「そういう事件があったらしいわね」ということは知っている。

 

 そしてこれらの自爆系カルトの教義の共通点として「いついつに終末が来る」という具体的期日を持った終末思想を持っていたことも、漠然とは知っているだろう。

 

「そういう人たちがいたらしいわね」

 

と。まるで他人事のように。

 

(余談だが、大量殺人系カルトは現代社会で6つしかないと言われる。

「人民寺院」「ブランチ・ダビディアン」「太陽寺院」「オウム真理教」「ヘヴンズ・ゲート」「神の十戒復古運動」である)

 

 

 この2つのカルトに限らず、「具体的期日を持つ終末思想団体」は他にもあるだろうが、ここで、ものすごく恐ろしいことをはっきり明言しておこう。

 

 自爆系カルトにしてもエホバの証人にしても、ハルマゲドンを期日で予想する計算式は、実は同じだ。

 

という衝撃の事実である。

 

 実は、自爆系カルトが算出した「期日」の計算式と「エホバの証人」が算出している「期日」の計算式は

 

 

 おなじもの

 

 

なのだ!!!!!




 さて、人民寺院の場合は、教祖が神がかりを受けて期日を設定したため、エホバの証人とは無関係なのだが、「ブランチ・ダビディアン」のほうは、めちゃくちゃ関係がある。

 

 すべての自爆系カルトがおなじ期日を設定しているわけではないが「元ネタ」が同じ宗教の場合は、計算式が共通している。

 

 

  どういうことか。エホバの証人の期日計算式は、創始者のラッセルのオリジナルではないのである。

 

 その計算式には「元ネタ」があり、その元ネタから分流したのが、たとえば「エホバの証人」であり「ブランチ・ダビディアン」なのである。

 

 

 そこで、みなさんは知りたいと思うだろう。その元ネタとは何か?を。

 

 それは「セブンスデー・アドベンチスト教会」という今もバリバリ活動している新興宗教である。

 

 

 セブンスデー・アドベンチスト教会

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%96%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%B9%E3%83%88%E6%95%99%E4%BC%9A

 

 

 もっと厳密に言えば、セブンスデー・アドベンチストにもその源流があり、ラッセルはその総元ネタ思想からも多分に影響を受けていた。

 

 

 さあ、その元ネタでは何が説かれたのか?そして終末期日を計算するという魔法の方法とはどういうものだったのか?

 

 それを次回は解き明かしていこう。

 

 

(つづく)

 

 

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