2018年1月6日土曜日

解脱者が「君の名は。」を観たらどうなるのか。



 新年あけました。


 普通だったらこの挨拶には「おめでとうございます」なんかが引き続くのでしょうが、すべては無常である解脱者ムコガワさんにとっては、別にめでたくもなんともないので、とりあえず年が改まったという事実だけ書いておいた次第。



 ・・・。え?屁理屈を言うな?



 今年も、こんな調子でスタートしたいと思います。


 ふだんは、世を忍ぶ仮の姿で会社員をしている武庫川も、 年末年始のお休みなんかがあったりして、人に会ったり美味しいものを食べたり、親族で会合を開いたりと、まあそれなりに充実した休暇を過ごしておりました。


 で、たぶん多くの方もご覧になったと思われる



「君の名は。」


というアニメ映画をはじめて閲覧したわけです。



 うーん。どうなんだろうねえ。まあエンターテイメントとしては、それなりにおもしろおかしく出来ていたので、最初の感想も、見終わってからの感想も等しく


「・・・80点?!」


くらいだったわけですが、 あんまり厳しいことを書くと作者のファンの方に申し訳ないので、ネガティブなことは書かないようにしたいところ。



 それよりも


「なーんか、武庫川たぶんおっさんになってしまったので、あんまり感動が湧かないんだろうなあ」


という話を、12歳年下の隠れオタクである嫁と、お菓子をついばみながら話した次第でした。



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 男女の入れ替わりを描いた映画といえば、 大林宣彦の「転校生」なんかがすでに古典なんですが、思い起こせば


「尾美としのりのほうが、はるかに入れ替わった感が出てたぞ!」


と不満足だった次第で、名優 神木 隆之介を持ってしても、男女入れ替わり感は不発だったような。




 そもそも、実は隠れ物書きでもある武庫川さんからすれば、「君の名は。」で最もいち視聴者としてしんどかったのは、



「なぜ、主人公の二人が接点を持つに至ったかの理由」

 
について、結局まったく説明も必然性もなかったことが消化不良を起こす原因だったのかもしれません。




 時と場所を超えて、男子と女子が繋がる接点は、なぜ彼と彼女でなければならなかったのか、ということを、誰か理解していたら教えてください。



 初代「転校生」で言えば、物理的に二人で転がるみたいな接触があったので、これはもう逃れられない理由がそこにあるわけです。 



 ところが、まず場所が離れていて、お互いに面識がなく、さらに時間も違うとなると、これはもう全くの赤の他人で、男子からすれば全くの赤の他人のおっぱいを意識の上で揉めるとなると



単なるうっほほーい!



以外の何物でもありません。


 もしこれを読んでいる女性読者がいるとすれば、まったく見も知りもしない、数年後の東京オリンピック開催の頃の兄ちゃんに乳を揉まれていると想像して彼を好きになることができるか、という問題と同等なわけです。


 きっと、その時に生じる感想は、


「きもっ」



以外のなにものでもないと思うのですがいかがでしょうか。


 そしてなおかつ、全く見も知りもしないお兄ちゃんのナニを触るというのも、ぶっちゃけキモい以外の感想が浮かばないのです。そしてちょっと臭い。





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 結論から言えば、こうした事態が起こってしまったのは、偶然というか運命というか、それこそ神の思し召しというか、人智を超えた「説明不能」な理由で起きているわけですから、それから人智を超えたところで、


「勝手に神が糸守町を滅ぼしてもいいし、勝手に神が糸守町を救ってもいい」


という好き勝手なことになってしまいます。聖書だったら預言者が神から啓示を受けて、ヘブライ人を救おうとあれこれ動き始めるわけですが、そういう必然性があの子達にあったわけでもありません。



 まあ、要するに、「映画としてやりたいことはわかるし、まーるくまとめてあるけど、よくわからんなあ」というのが武庫川の感想でした。



 それから、「君の名は」というNHK往年の名作に引っ張られすぎで、ふだんは女子のことを



「おまえ」

 
よばわりしている男子が、ここぞとばかりに「君の名前は」とか連呼するのも意味不明でした。



 ほな、最初からおまえ呼ばわりせず、「君」と呼べばええやんけ。






 というのも、実は武庫川はむかーし、のちに妻となる嫁と一緒に



「君の名は◯◯◯◯◯」



という映像作品を作って、とある賞レースに参加して全国大会へ出場するなど、それなりの評価をいただいたことがあるのです。



 ぐはは。”君の名は”、を流用することなんぞ、武庫川でもはるか昔に思いついたのじゃ。




 といばりたいところですが、商業的にはボロ負け確実なので、ただの負け犬の遠吠えですな。



 しかし、製作者としてはこだわりがあって、「君の名は」というキャッチーなフレーズをパクる、、、、いや、インスパイアしてオマージュして使うという場面に当たっては


「やっぱり、ここぞ!というシーンにのみ”君の名は”という言葉を使う。(借りてくる)」


ということは意識したものです。


 あんなに「君の名は、君の名前は!」を連呼されたら、萎えるやんけ。



 
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 いけませんね。悟りを開いたとあろうものが、すばらしい作品にケチをつけるなどもってのほか。



 ここはニコニコとほほ笑みを浮かべながら、そっと筆をおきましょう。



 もちろん、お正月は嫁と二人で、そのあと



「聖☆おにいさん」(映画版)



をまったりと観たことは言うまでもありません(笑)


 


 

 










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