2020年4月23日木曜日
お客様は神さまではなく、病原体である
新型コロナウイルスをめぐる世界じゅうの惨劇が、まだまだ収束の様子を見せない昨今です。
経済活動は強制的にストップ、不要不急の買い物などはできない、しない状況になっていますが、それでも生活に必要な物資を販売するスーパーなどは、閉めることができません。
あるいは、外出ができないがゆえに通販で商品を買うことが増えたために、宅配ドライバーの負担も増えています。
そんな中で、たとえばドラッグストアやスーパーなどに行っても「どうしてマスクやトイレットペーパーがないんだ!」と客が平謝りする店員を追い詰める姿があったり、あるいはひどい話ですが、宅配ドライバーに「ウイルスを持ち込むな」とばかりに邪険に対応する住人がいたりする話がでてきました。
しかし、これからはもはや、これまでの「顧客中心主義」は崩壊するでしょう。上の例のような「顧客」は、いまだに
お客様は神さまである
というこれまでの甘やかされた立場からは、強制的に引きずり下ろされるかもしれません。
なぜなら、スーパーの店員や、ドラッグストアの従業員から見れば、次々に外からやってくる得体のしれない不特定多数の
お客様は病原体である
に違いないからです。
スーパーで働く人が気になる、それってどうなの?な人たち(LIMO)
https://limo.media/articles/-/17015
毎日毎日、どういう状況でやってくるかわからない顧客というのは、店員から見れば、「安全性が担保されない存在」です。
どうして、安いパート賃金で、防疫戦争の最前線である、「人々がつぎつぎやってくる店」で働かなくてはならないのでしょうか?
この状況をきちんと判断した一部の経営者は、店舗労働に携わってくれている従業員に特別手当などのインセンティブを出して、
安い給料なら戦線離脱したほうがマシだ
と思われないように改革をはじめました。
■ イオン
■ マツモトキヨシ
■ ライフ
■ マム
などなど、日本だけでなく、アメリカのスーパーでも特別手当は出ているそうです。
同様に、防疫最前線に立っている医師や看護士についても、特別手当を拠出する動きが広がっています。
お客様は病原体である
ということばをセンシティブに受け止めて、怒り出す人がいるかもしれませんが、 本来は顧客も売り手も対等で、立場に違いがあるなんて考えのほうがおかしいのです。
見知らぬ他人同士が接触するということは、お互いに病原体である可能性もあるわけで、それなら
マスク・手洗い・直接接触を避ける・離れる
などの、お互いの行動で対策する以外にありません。
いずれにせよ、ニーチェの言ったとおり、もはや神さまなんていないのだ、ということなのですから、これを機に
「お客様は神さまです」
というゆがんだ考えを捨てるチャンスとしたいとムコガワは思います。
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