2016年11月15日火曜日
「君の名は」ブーム 〜セカイ系かなんか知らんが、僕は世界よりも「キミ」を救いたい〜
さて、先日とある人に突然
「そう言えば、『君の名は』を見に行かれましたか?」
と尋ねられたので、「否」と一喝しておいたのですが、本当に見ていないのだから仕方がありません。
解脱者武庫川は、俗世に疎いこともあって、だいたい「大ヒット作」なるものは、ブームが完全に沈静化してからのんびりと拝謁することにしているのですが、なんだかすごいらしいね!
解説してくださる方に言わせると、「君の名は」もある種のセカイ系のお話で、セカイ系のお話とは
■ 男子登場
■ 女子登場
■ 二人の個人的関係が
■ なぜかセカイ全体の事象と関係するらしく
■ たいてい、そのカギは女子が握っているので、
■ 男子と女子がもにょもにょしている間に、セカイがあんなことやこんなことになって
■ 結局、二人の中もうまくいくんだか、セカイも救われるんだか
という類型なのだそうです。
「君の名は」を最小限にまとめると、
”男の子と女の子が入れ替わって彗星が落ちてくるんだけど、助かった二人はもう一度出会えるよね。ラブきゅん!”
ということになります。
・・・それがどないしたんじゃあああああ!!!!!!!
まあ、映画はヒットしているらしいのですばらしいことですが、我々40オーバーのかつての若者にとっては
エ○ァンゲリオン
で、一回やらかされてますので、 シンジとアスカがどうなったとか、綾波が艦コレとか、童貞がいかにセカイと関わるかについては
「よいこは真似しちゃいけません」
とキツくお叱りを受けているので、斜に構えて見るようになっているのです。
とはいえ、今回の「君の名は」が、一般大衆にウケるように細かな配慮がなされているのも事実で、シンジくんみたいに、
「逃げちゃだめだといいつつ、最後まで逃げている」
ような暗い少年を主役に据えず、 明るく朗らかに爽やかに童貞処女の交流を描いている点は、たぶんすばらしいのだと思われます。見てませんが。
ある人が面白いことを言っていて、
「(内に籠り)社会性を獲得できなかったシンジくん(たち)」
に対して、
「コミュニケーションが出来ていて、リア充によってセカイ系は完結・完成した」
みたいにまとめられていたので、それはとっても面白いなあ、と思ったのです。
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しかしながら、解脱者武庫川にとっては、セカイがどうなろうと知ったこっちゃありません。
そもそもセカイは無常であり、「存在しないかもしれない」と考えているわけですから、トランプが大統領になろうが、朴おばさんが訴追されようが、なるようにしかなりません。
それよりも、大切なのは
あなた
です。 これを今そこで読んでいる”あなた”。
私はあなたが苦しんでいるのであれば、真っ先に応援したいと思います。
セカイ系とは真逆で、現実に起きているのはこういう事態です。
■ セカイや社会のありようや仕組みが
■ 小さな存在であるあなたを束縛したり、支配したり、苦しめたりしていて
■ 時には、システマティックに押しつぶそうとしてくるわけで。
■ たいていそのカギというか、解決の権限はあなたには無く、
■ セカイは変わらず、あなた自身があんなことやこんなことになったりして
■ ついには孤独に、ひとりぼっちで破壊されてしまう。
という物語。
これが、あなたを襲っている「このセカイの物語」です。
”あなた”に該当するのが、貧困女子であったり、独居老人であったり、ブラック企業労働者であったり、心の病だったり、それはもうたくさんあるのですが、
セカイ系ファンタジーを見て、へらへらしている前に、現実世界リアリティに押しつぶされそうになっている
人は、どこにでもいることでしょう。
現実世界で起きているのは、セカイ系とは真逆です。
「男が、社会的立場を行使することで、世界が成り立っていて」
「たいていの場合、女子はカギなど持ってはおらず」
「社会システムにメスをいれない限り、世界はそうそう変わらず」
「世界を救う前に、目の前の個人を救うことすらできない」
のが現実なのです。
だから解脱者武庫川は活躍するのです。社会システムはそうそう変わってくれないので、解脱者は勝手に動きます。
社会全体の幸せなんかどうでもいい。
まずはキミに幸せであってほしい、と願うのです。
そして、あくまでもセカイ系とは逆の行動パターンを取ることで、真の救いを得るのです。
「逃げていいよ、と言いながら、最後まで支えること」(反 根暗童貞野郎)
「君はバカなんかじゃない。間違っていない」(反 金髪ドイツ人)
「私にも、君にも、代わりなんていないんだ」(反 白いスーツの女)
「サービスぅ残業、サービスぅ残業なんてやめてしまえ」(反 おねいさん)
ね?セカイ系を離反すると幸せになれそうでしょ?
そう。僕は君の名はよりも、
キミ
をずっと見ていたいんだ。
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