2016年1月5日火曜日

<書評> 最良の仏教入門書 「知的唯物論」(宮崎哲弥・呉智英) を読む


 あけましておめでとうございます



 ・・・と言いたいところですが、悟りを開いた解脱者にとっては、別に「めでたくも」なんてこともないので、撤回します。


しかし、め、めでたくなんかないんだからね!といえばまるで ツンデレ女子みたいなので、それもやめておきましょう。


「めでたさも中くらいなりおらが春」という小林一茶の名句があるが、まさにそんなもんですね。


 さて、新年もあけて本日は5日。・・・もとい、仕事はじめの時期でもあり、世間のみなさまもこれから再び忙しくなってくるというもの。


 がんばりませう。ほどほどに。


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 さて、というわけで、正月休みの間に読んだ本で、面白いものがあったので何度かに渡り紹介しておきます。

 まず、一冊目は

「知的唯仏論」 宮崎哲弥・呉智英 共著 新潮文庫


 刊行は2012年ですが、文庫版が昨年12月に出たところだったので、文庫版をごちそうになりました。


 宮崎のてっちゃんは、TV番組などでもおなじみの若手評論家ですが、本人は仏教徒であり、信徒としての目線でも、仏教について冷静に語っています。

 呉智英氏は、不肖なる武庫川散歩の心の「師」とも言ってよい評論家です。もし、呉智英の著作に出会っていなかったら、武庫川はこんな風に解脱していなかったであろう!と言っても過言ではないくらいのスゴイ人(笑)

 (ちなみに呉氏は仏教者ではなく「儒教」をメインとしている方)


 呉智英氏は、どちらかと言うとマンガ評論で有名なのですが、そっち関連でない・まともな評論活動では、キレッキレの理屈をぶちかましてくる恐ろしい人物なのです。



 当時19歳の若造であった武庫川散歩は、阪急宝塚駅のトイレの前に打ち捨てられていた「サルの正義」(呉智英)を手に取り、そのまま3歩あるいて


 天上天下唯我独尊!


と叫んだとか叫ばなかったとか。


え?叫んでないですよ。だから「叫ばなかったとか」と申したまでです。

 しかし、19歳の武庫川散歩は、この書をきっかけになんと宗教の理論書を自ら書き始めます。

 その謎のノートに書き付けられた理論書「神の論理」は武庫川的解脱の最初の萌芽となったのでありました。



 ご興味のある方は、ぜひそんな呉智英の本をお読みあれ。


「サルの正義」(呉智英) 双葉文庫

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 さて、宮崎氏と呉氏の対談形式で進むこの本、マンガとしての手塚治虫版「ブッダ」の話からはじまって、このブログでも以前に取り上げた「神道系新宗教」との比較キリスト教との比較などを踏まえて


ブッダが始めた、原始的な仏教の姿


について解説が広がります。


 日本には多数の仏教の宗派があって、それらのほとんどは「大乗仏教的」(みんなを救うぜ)な理論で構成されているんですが、初期の仏教(オレだけ悟るぜ)な理論の本質を簡単に知りたい人にはかなりおすすめだと思います。




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