2014年1月26日日曜日

■<5>いろんな宗教を知っておこう その2 ユダヤ教とキリスト教とイスラム教

 みなさま、おはこんばんちは。


 おはようからおやすみまで、武庫川散歩です。


 前回から、世界のいろんな宗教をざっくりとだけ知っておこう、ということでお話をしています。今日は、その中で、世界3大宗教のうち、2つをお話します。

 ちなみに、世界3大宗教は「キリスト教」と「イスラム教」と「仏教」と言われており、これまたざっくりですが、

 世界の人々のうち30%ぐらいはキリスト教徒です。25%ぐらいがイスラム教徒です。その次は、実はヒンズー教徒が多くて、15%ぐらい。その次は無宗教が10%ぐらいいます。

 仏教は、残念ですが、6%ぐらいなので、3大宗教からは陥落ですね。


 そのあとは、ちっちゃい宗教がたくさんいます。ユダヤ教とか儒教とか、シーク教とかジャイナ教とか、新宗教とか。


 そんな中、実はキリスト教とイスラム教は、本質的に信じている神がおなじなので、合計すると過半数取ってますね。すごい神様です。世界の半分以上の信仰をあつめているなんて!


 じゃあ、そんなすごい神様がいったいどういう存在なのか、を簡単にまとめてみましょう。もともと、キリスト教もイスラム教も「ユダヤ教」と密接に関係しますので、そのあたりから書いてみます。


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 むかーし昔、あるところに、っていうか、「あるところ」ではなく、中東の砂漠に、ひとつの民族がいました。

 その民族は、「エホバ・あるいはヤハウェ・あるいはアッラーフ」という神様を信仰していて、その神様が「天地を創造して生み出した」ということを信じていました。

 神様が天地を創造したあと、いろんな生き物やら、山やら川やらを造ったあと、最後に造ったヒトがアダムで、そのあとで妻としてイブを造りました。

 で、その子孫があんなことやこんなことをして、「おまえらもう許さん」と神様が怒って箱舟に乗った「ノア」とその一族以外は、全員水責めにしてぶち殺すわけですが、あるときその民族に「アブラハム」という人物が生まれました。

 アブラハムは、その神様の「最初の預言者」として、子孫たちに「どうしたら救われるのか」と説くことになります。

 そして、神様はアブラハムと約束をします。「わたしは、おまえの子孫に、カナンの土地を与える」と。(だいたい、今のイスラエルのあるあたりです)

 このアブラハムの子孫と神の約束をもとに始まる宗教が、ユダヤ教とかキリスト教とかイスラム教で、彼ののち、「私は神の預言者です」という人物がいろいろと登場することになるのですが、どの預言者の言うことを信じるかでそれぞれの宗教に分かれていくことになるわけです。



★したがって、この同系統の3つの宗教を「アブラハムの宗教」と呼んだり、場所が砂漠なので「砂漠の一神教」と呼んだりします。

 また、預言者に神様のことばが伝えられることから「啓示宗教」と呼んだり、その経典が「聖書」であることから「聖書宗教」とも呼ばれます。


 

 さて、このアブラハム子孫たちは、すぐ浮気をして別の神様を信仰したり、エホバのことを忘れたりします。なので、神様は怒って、すぐその民族に苦難を与えます。

 「おまえたちが言うことを聞かないから、大変な目にあわせる。ちゃんとわたしのことを信仰したら、約束どおり安住の地を提供してやろう」

というのが、この宗教のベースです。

 もちろん、その都度神様は預言者を遣わして、なんとかアブラハムの子孫たちが間違った道に進まないように誘導するのですが、なかなか全員がちゃんと言うことを聞きません。

 なので、つぎつぎに預言者が登場します。


 
 ユダヤ教は、紀元前13世紀ごろの預言者「モーゼ」と神様の約束を信じる宗教です。モーゼのあとに登場する、旧約聖書に出てくる預言者たちのことは信じますが、イエスのことは信じません。
 なので、今でも旧約聖書に準じた信仰を維持しています。


 キリスト教は、紀元前4年ごろから紀元後30年くらいに存在していた「ナザレ生まれのイエス」という若者が最後の預言者だと信じています。なので、そのあとに生まれたムハンマドのことは信じません。このイエスの行動記録が「新約聖書」なので、古い時代の「聖書」は、神様との昔の約束事で、イエスの登場によって、新しい約束に更新された、と考えています。
 それで、「旧約聖書」「新約聖書」と言うわけです。

 イスラム教は、紀元600年ごろのメッカに生まれた「ムハンマド」が最後の預言者だと信じています。なので、ムハンマドの書いた「コーラン」という経典が神との約束の最新バージョンだと思っています。イスラム教では、もちろん、それ以前の「モーゼ」とか「イエス」も預言者だと認めているし、聖書も認めているのですが、『いや、いま伝わっている聖書は、ユダヤ教徒やキリスト教徒に都合よく捏造されているので、本物ではない』と現時点では考えています。


 というわけで、この3つの宗教において究極的に信仰している対象は、まったくおなじ天地創造主の「エホバ・ヤハウェ・アッラーフ」というひとりの神です。

 
 さて、実はアブラハムの子孫たちは、いろいろあってもともと住んでいた中東地域を追い出されるのですが、ユダヤ教の概念では、神様は最終的にカナンの地を与えてくれるわけですから、イスラエルの人たちは、必死になって現イスラエル地域に「イスラエル国」を作り、維持することに全力を注ぎます。
 その時に、アブラハムの子孫が追い出されたあとに入植したパレスチナ人と喧嘩になります。「おまえら、俺が住んでるのになんで土地を奪おうとするんだ」「おまえらこそ、神様が我々に最初くれた土地に、途中から入ってきてなんなんだ」と、今も喧嘩しています。そう、紀元前から今日まで、たった今も喧嘩しているのです。


 ところが、キリスト教徒たちは「アブラハムの子孫と神の契約は更新されて、イエスキリストのおかげで全人類と神様は新しい契約をしたので、これからはすべての人が救われる」と考えています。そして、与えられる土地は、カナンの地ではなく、未来のキリストの王国で永遠の命が得られる、と考えています。

 イスラム教徒たちも、信仰を貫くと天国で永遠の命が得られる、と考えています。
 
 
 ちなみに、キリスト教は、どちらかというと「信仰心」を大切にするのに対し、ユダヤ教とイスラム教は、実際に戒律をちゃんと守ることを重視します。

 
 さて、日本人である私たちは、ユダヤ教は信仰したくてもちょっと厳しいです。なぜなら、ユダヤ教の神様は、もともとユダヤ人(イスラエル人)しか救うつもりがないからです。
 キリスト教のほうは「信じるだけで救われる」神様なので、ちょっと気が楽ですね。イスラム教は、かなり厳しい戒律を守らなくてはいけません。

 けれど、どの教義を信じるかは自由なので、お好きなパッケージをチョイスしてみてください。


 私は、残念ながら、どの教義もちょっと遠慮しておきます。


 天地創造した何者かがいるところまでは、まあいいんですが・・・。






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