2014年3月8日土曜日

【勝手に人生相談 その1】 上司とうまくいきません。どうしたらいいでしょう。

 毎度おなじみ、ちりがみ・・・・もといあなたの隣人、武庫川散歩です。

 前回の「勝手に人生相談」シリーズが思いのほか好評だったので、しばらく続けてみようと思います。

 誰に好評だったかのかって?そりゃもう、私に好評だったのです。書いてて楽しい、読み返して楽しい自己満足自業自得自由闊達です。


 中島らもさんご存命の折には「明るい悩み相談室」という名著があったのですが、最近は彼のこともだんだんと忘れられているようで寂しいですね。全巻は読んでないけど。

 ちなみに、当ブログの「悟るヒント」は五木寛之さんの「生きるヒント」のパクリです。いや、オマージュです。五木さまにおかれましては、たいへんにいい迷惑だと思いますが、おそらく彼に読まれることはないでしょうので、自由気ままに書いております。元ネタは読んでないけど。


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 というわけで、今回も中島義道さんの「人生相談道場」から気になるネタを拾ってみましょう。勝手に。


 東洋経済オンライン 中島義道の人生相談道場 より
 http://toyokeizai.net/articles/-/21734


Q、上司とうまく関係が築けません。どうして、上司はきつい、厳しい言葉でなじるのでしょうか?


A、怒り、叱ることで、偉くて正義のヒーローになれるからです。(by武庫川散歩)


 解説)中島さんの記事では、「上司なんて悪いやつばかりで、それどころかこの世間のみんなは悪くてひどいので、あなたも負けじと強くなりなさい」というアドバイスでした。たぶん。


 それはもう、ほんとうにその通りです。ドラマにもあるくらい「渡る世間は鬼ばかり」ですので、ぜひ泉ピン子さんばりに強くなって欲しいものです。


 それはさておき、人が強くなるには少し時間がかかりますので、とりいそぎもう少し優しいことばをかけてみたいと思います。

 ちなみに、私は小さな会社で管理職をしているのですが(たぶん)、めちゃくちゃ優しいです。社員に怒ったり、叱ったりすることはほぼなく、何か部下に間違いがあれば、その事実をお互いに確認するだけで、次回にそれが起こらないように願いながら話をするだけです。

 そのため、会社の中はいつも穏やかで、笑顔を絶やさず仕事が進んでいます。

 では、なぜ私は部下を怒らないのか。

 それは、私がそやつらのことを心から「どうでもいい」と思っているからに他なりません。

 それもそのはず、私はこのセカイは存在しないに等しいと思っているので、部下も存在しないに等しいのです。会社からみれば、私という管理者すら、「替えの利くコマ」に過ぎません。

 私もコマ、あんたもコマ、部下も社員もみんなコマ、なのですから、いがみあうよりもにこやかに過ごしたいものです。

 そして、そのコマが仕事のコストパフォーマンスに合わないと判明した際には、トラブルなくにこやかに去っていただきたい!からに他なりません。

 私が恨まれるのは割りに合いません。「いい上司だった」という幻想のもとに、速やかに去っていただくに越したことはないのです。

 私が資本家だったら、頼りない社畜はどつきかましてしまうかもしれませんが、私も一介のサラリーマンですから、あなたと立場は同じです。さよならは笑顔で言いたいものです。


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 どこまでが本気なのかわからない冗談はさておき、人がなぜ弱いものに対して怒るのか、きつい言い方をするのかを説明しておきましょう。

 動物と動物というのは、2者で向かいあったときに、どちらが強いかはわかりません。お互いに向かい合って突っ立っているだけでは、どちらが強い・えらいのかはわからないのです。

 なので、真にケンカの強いヤツはどうするかというと、

いきなり顔面を殴りつける

のです。


(動物の場合はでかい声を出したり、自分を大きく見せたりしますが)



 こうすると、相手はひるみます。「なんじゃワレやんのかこら」とか「あーん?おまえどこの誰よ」とか言う間もなく、相手を殴りつけることで一瞬で勝敗はつきます。殴った方が勝ちです。

 つまり、先に行動を起こした方が強い、ということを理解しておく必要があるのです。

 だから、相談者さまもまず出合った瞬間からガツン!とぶちかまし・・・・・・いや、これでは結局中島さんと結論が同じですね。話がどんどん横道へそれてごめんなさい。




 話を戻します。動物でも、人でも、アクションを起こさない限りはどちらが強いかはわかりません。なので、人は自然と「自分と他者の間で、自分が上の立場にあることを示す」アクションを取ってしまうようになるのです。

 たとえば、テレビを見ていて「ああ、この事件はひどいなあ」とか「この芸人アホやなあ」とか、つぶやいたり、思ってしまうことが多々あるでしょう。

 そう思う、あるいは口にした瞬間から、あなたは「こんな事件を起こさない私は善」であり、「私はこの人よりアホではない」と地位確認をしているのです。

 そう、人は無意識に他者より上に立とうとするのです。それは行動とリンクします。


 赤ちゃんがごはんを欲しい時には、泣いたり声を上げたりしてアクションを起こします。そうすると、お母さんは欲求を満たしてくれ、つまり「言うことを聞いてくれる」存在になるわけです。その時点で、少なくともご飯をもらう関係で言えば、赤ちゃんは上位に立ちます。

 あとは、その行動パターンを繰り返せば、ずっと「上位に立てる」=ごはんが受け取れるわけです。

 
 上司が怒るのは、怒る・叱ることで「お前よりも自分の立場が上である」ということを示すためです。そしてそれはわざとというよりも、「無意識的に下位のものよりも上位に立とうとする」行動でもあるわけです。

 また、「おまえはこれこれこういうことで間違っている」と口にした瞬間、「つまり、俺は間違っていない」ということを示すことにもなり得ます。ということは、上司はその瞬間に

善なるもの、いい人、偉い人

になることを実感でき、心のヒーローになれるという面もあります。


 間違っている相手に、間違っていることを指摘しているのだから、なんて俺は正義の味方なんだ!


ということでもあります。

 そして、これは一番簡単に自分がヒーロー(善なるもの、そして上位の者)になれる方法ですから、この魅力に取り付かれるとやめることができません。

 なので、お父さんがテレビを見ながらずっとツッコむのをやめなかったり、お兄ちゃんが2chに書き込みしてしまうはそのためなのです。

 ヒーローを倒すのはたいへんなことです。神様の目線でみれば、ライダーも○○ジャーも、その敵たちも全員暴力団です。つまり、どちらも善ではないかもしれないけれど、自分を善だと信じているモノの行動をやめさせるのは、本当に難しいのです。


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 さて、私のように解脱してしまうと、「善である必要もない」し「他人より上であることに喜びを感じない」ため、すべてがどうでもよく思えてしまいます。もう、気分はだいたひかるです。

 だいたい私はとっても悪いやつです。あんなことやこんなことを妄想していますし、変態です。

 なので、私は会社でまったく怒らないし、へらへらしています。でも、仕事はバリバリやりますよ。楽しいから。


 

 

 


 
 
 
 

 





 

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