2016年8月31日水曜日

覚醒剤などの薬物を摂取するとどうなるのか ~歴史上、宗教とは切ってもきれないドラッグのセカイ~



 昨日から今日にかけて、薬物や銃がらみで殺人やたてこもりなどの事件がニュースになっていますが、亡くなられた人もいるので、痛ましく思います。


 俗世であれば「ご冥福をお祈りします」という表現を用いるところでしょうが、解脱者は来世を信奉しておりませんし、冥界は無いと考えますので、まさに哀悼の意を表するのみです。



 解脱者、武庫川は薬物というものを基本的に信用しておりません。別に悪いほうのドラッグに限らず、医薬品であっても万能ではないし、何がしかの効能をサポートするものではあっても、


「あなたやわたしの何かを大きく変えてくれるような薬」


というものは、あまり期待すべきでないと考えています。



 ですので、たとえば「うつ病」や「パニック障害」などの心の病を発した人に対しても、できるだけ薬には頼らずに、別の方法で状況をよくすべきだと思っています。


 それが、医学界の一部からは反発をまねくことであっても、私の基本的な心情は


「人間関係によって心にストレスが生じたのであれば、それは人間関係によって元に戻すことが筋だ」


というものです。


 なので、私は心に苦しみを抱えている人がいれば、できる限り「関わり」によってそれが改善できないものかと考えるのです。


 「たとえ世間の全てがあなたの敵となっても、私はあなたを愛している!」


という強い愛によって、人は救われるのではないでしょうか。



(うーむ、こんな台詞、誰かに言ったことがあるぞ)




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  さて、仏のように解脱者で、キリストのように愛に満ちた男、武庫川散歩です。


 あらためてよろしく。



 というわけで、今日はお薬のお話から、おなじ薬でも悪いほうの影響を及ぼす「薬物やドラック」がどのように



 あなたの心と身体を蝕んでゆくか



についてお話しようと思います。



 ふだん、このブログでも


「宗教的、あるいは神秘的な何か不思議な体験がしたかったり、全能感や幸福感がほしいだけだったら、ヤクでもやっとけ!」


と、スピリチュアルなものを求める愚か人たちに暴言を投げつけている武庫川ですが、 そのしょーもない効果を昔から人間は


「宗教」


の場面でも用いてきました。



 原始的な宗教が、祭祀においてなんらかの薬物を使うことはよくあることです。

 幻覚や多幸感によって、宗教が真実であり、神秘的なものだと感じるためです。


 自然に生えている草花の中には「アルカロイド」類が含まれるものが多くあり、それらを用いることで、さまざまな心身の作用を幻惑することができます。


 そうした自然草などの効果が、のちに医学の発展にも役立ってきた面もありますが。



 近代、近年においてはアメリカのヒッピー文化がLSD等を摂取しながら広がった経緯があります。


 偉大な音楽家、エリッククラプトンやジミ・ヘンドリクスでさえ、薬物中毒だったのです。



 現代日本のミュージシャンたちが薬物に手を出すのも、こうした流れに関係があって、「60年代70年代の欧米ミュージシャンたちは薬物とともに最高の音楽を生み出した」と心のどこかで、それらの行為を肯定している部分がある、というわけです。



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 また、宗教に戻ればオウム真理教が覚醒剤等を用いて神秘体験を「与える」ことで、自分たちの信仰が特別なものであると錯覚させるよう仕向けたことなどもあるでしょう。


 古代・現代を問わず、宗教と体験と薬物というのは、意外に多くの場面で見られるものなのです。




 さて、いよいよココからが本題。


 覚醒剤などの薬物を摂取すると、いったいあなたはどうなってしまうのか?!



 これは実は、「哲学」の問題と似ている部分があって、それは不可思議で、それは難しい問題を秘めているので、今日は解脱者の観点からこれをとりあげようと思います。




 薬物と、哲学の共通点、それは「自己と他者」「自己の内部と外界」「ジブンとセカイ」に関わる



部分です。



 「我思う、ゆえに我あり」という言葉があるように、「自分というものが認識し、知覚することによって、このセカイを把握することができる」ということは、哲学的な問題として長年捉えられてきました。



 そして「自分の中から見ている自分と、他者が見ている自分とは違うのか」といった問題も、心の病を考える上では大切な視点でもあります。



 また、このブログでも何度か取り上げているように、「自分の中にある正義と、外側のセカイにある正義の矛盾」なども、大きなテーマとなりえることでしょう。




 自分とは何か。



 セカイとは何か。




 この主題を念頭に置いて、薬物をみてゆくととても興味深い現象がそこで起きていることがわかります。




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 武庫川は、以前に覚醒剤などの薬物の専門家に、勝手に取材をしたことがあり、とても納得のゆく説明をおしえてもらったことがあります。


 彼は、覚醒剤中毒者が、実際にどうなってゆくかを目撃しており、薬物というものが



「まったく、無意味なものである」



ということを武庫川に教えてくれました。


 ポイントは、「どこが無意味なのか」という部分です。心身を滅ぼしたり、中毒になるからダメだという話を超えた、深い深い話がそこにはありました。



 
  その重要なポイントは、「自分の中のセカイ」と「外部のセカイ」のズレに他なりません。



 たとえば、その方が目撃したおっさんは、注射器を自分の腕に何度もブスブス刺しながら


「おっかしいなあ!なんで刺さらないのだ」


といいながら、注入しまくっているそうです。


『いや、刺さってるがなおっさん!』と外部のセカイからは見えるのですが、 彼の内部のセカイでは「刺さっていない」と認識しているのです。



 そして、何度も刺しているので、当然ごっつい量が体内に入っているので、本人はそのまま白目向いてぶっ倒れるのですが(いちおう、生きています)、そのうち半日ほど経って目を覚まして、にこやかに


「いやー、今日はめっちゃキマッった(←薬物が効くという表現です)。良かった!」


と言い出すというのです。


 おっさんの内部では、「とてもキマッて最高で、イケテるセカイ」が広がっていたようですが、 外部では


「血だらけの腕のおっさんが、失神しているだけ」


という状況がおきているわけです。



 とても哲学的な状況が生じていることがわかりますね?!



  ここでは、おっさんが哲学者だとすれば



「我、キメる、ゆえに我キレッッキレ!」


だと認識しているというのです。




 しかし、現実は(なんども言いますが)



「穴だらけの腕のおっさんが、逝っちゃってるだけ」



なのです。これが哲学でなくて、なんだと言うのでしょう!!!



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 覚醒剤によって得られている「何か良いとされる感覚」は、外部のセカイから見ると幻影に過ぎません。


 一般的な説明にあるような「薬物によって多幸感が得られる」という表現は、とても奥深いことばです。


「多くの幸福がやってくる」


ではありません。


「多くの幸せが感じられる」


のは、内部だけで、その外側にはやっぱり「しょーもない日常」が広がっているだけなのです。




 もっと恐ろしい話があります。覚醒剤にハマるきっかけが「薬物を摂取して性行為をすると、この上もなく気持ちがいい」らしいというネタをみなさんも聞いたことがあると思いますが、 ここにも、おおきなズレが潜んでいるというのです。



 ちょっと難しいのでよく読んでくださいね。



 薬物を摂取すると、神経細胞が敏感になって、なんども研ぎ澄まされて感じるようになる、といいます。

 なので、「元気になる」とか「知覚がすごくなる」とか、そういう風に体験者は話すのです。


 しかし、上で説明したように、実際には何も敏感にはなっておらず、「そういう風に誤認をする」というのが実態ですから、


「元気になるぜ!と言いながら、どよんとした目でふらついている」


とか


「知覚がすごいぜ!と言いながら、別に何もスピードは上がっていない」


のが現実なわけです。



 ということは、結局


「キメながらすると、凄く気持ちいいぜ!と言いながら、気持ちよさは実はおんなじ(もしくはいくぶん下がっている)」


というのが真実なのだと言うのです!!!!



 その「いつもより何倍も気持ちいいぜ!」という感覚そのものが、もはや真実ではなく、薬物の起こす誤認の影響下にあるだけだ、ということを知ると、愕然とするのではないでしょうか。




 つまり、本当は気持ちよくなるわけではない、のです!!!!





 それほどまでに、本来のあなたの感覚を劣化させるのが、薬物なのです。






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 武庫川は、いつでもしらふで脳内麻薬が出ているタイプのエキセントリック少年ボーイですから、今の状態で明晰な頭脳を味わうほうが幸せなので、これ以上神経を鈍化させたくありません。


 なので、絶対に薬物はやらないし、酒も飲みません。タバコも吸いません。


 そしてできることならば、自己の内部とセカイをある程度合致させながら生きるのが望ましいと思っています。



 ちなみに、本当に凄く気持ちいいのはやっぱり愛のあるほにゃららだと思います。 


 愛してる!











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