2016年8月9日火曜日

【勝手に人生相談スペシャル 13 】”時をかける少女”さんからの相談です。「解脱者さんは、過去に戻れるとしたらどうしますか?」



 どうも、俗世に片足つっこみながら解脱者をしている武庫川散歩です。



 武庫川は、どちらかというと、煩悩を避けたりせず、大きな器で受け止めるタイプの解脱者なので、テレビも見るし、メディアもバンバン読んだりするのですが、ええ、先週まで5回連続でやっていた



「時をかける少女」
 http://www.ntv.co.jp/tokikake/



のドラマを楽しみに見ておりました。



 しかしまあ、なんですねえ(小枝風に)


 この時をかける少女も、いったい「何回目のドラマ化やねん!」と誰もがつっこむくらい再演されていますが、作者の筒井康隆氏もウハウハなことこの上ないのではないでしょうか。


 原作の小説が出たのが1967年だそうですから、既に50年近く時を駆け続けているわけで、なかなかたいしたものです。



 Wikipediaで調べてみると、この作品、「映画4本、テレビ5本、舞台1本」になっていて、その他ドラマCDやらなんやらを合わせると、数えきれないぐらい再演されているそうで。


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 さて、今回の「時をかける少女」ですが、



 仮面ライダードライブこと泊進ノ介


が出るというので見始めたのですが、 竹内くんは爽やかでよろしい。ドライブの時は30代のおっさんみたいに落ち着いていましたが、今回は高校生役。どちらもすばらしかったです。



 ああ、もちろん主役の黒島結菜ちゃんもたいへん可愛かったですが、前髪ぱっつんの時がツボでございました。


 ええ、若い子が好きですが何か?



 解脱者ムコガワは、あんまりドラマにハマったりはしないのですが、今回はめずらしく



 ブルーレイが出たら、買おう!



と密かに決めているくらい、よろしかったですね。このドラマ。



 ・・・というのも、最終回はどうでもよいのですが、第一回がとてもよくできていて、


「大林宣彦・原田知世版の時かけ」



「細田守・仲里依沙版のアニメ」


へのオマージュが全編にちりばめられており、


「ああ、これはよく考えて作ってあるなあ」


という撮り方だったので、武庫川の評価が高いのです。


 ちなみに、第二回以降は意外と普通です。見るなら第一回のみでOK。




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  さて、というわけで、今回は「時をかける少女」さんから勝手に相談をいただきました。


「武庫川さんは、過去に戻れるとしたら、どうにかしたいことがありますか?」


という難問に、お答えしようと思います。




 ご存知の通り、武庫川の人生は波乱万丈、いろんなことがありました。


 さすがに「殺人と逮捕歴」こそないものの、世間で言うところの過ちや失敗も数多く経験しています。



 あるいは、人生の歩み方も紆余曲折があり、けして思い描いていたとおりの人生を歩んでいるわけでもありません。



 しかし、どう考えても。


 どう考え抜いても、私は過去に戻ったりやり直しをしたいとは思えないのです。



 逆の言い方をすれば、「今がパーフェクトで納得しているわけでもない」のですが、それでもやっぱり、過去に戻ることができると言われても、あまりそれに魅力を感じたりはしないようです。





 どうしてなのでしょう?



 そこには、解脱者ならではの「斬新なものの見方」が根底にあるような気がします。




 もともと、武庫川は、将来”小説家になりたい”という夢を持っていました。


 その夢は、結果としてある程度かなっており、武庫川が世をしのぶ仮の姿で書いた文章は、この俗世に出ているので、ちっちゃな満足がそこにあるのですが、それは別にしても、


 「作家になるのだから、どんな経験であってもそれは将来ネタになるはずだ」


という感覚を持っていたのです。


 ですので、それが苦しいことや辛いこと、あるいは過ちであったとしても、「そこから得る人生の機微がきっとある」と武庫川は常に思っています。



 その体験は、けして無駄ではないと考えたのですね。



 ・・・さて、翻って現在の武庫川にとっては、「作家としてより、人間としてそれらの経験は自分の器を大きくしてくれている」と感じるようになりました。



 武庫川が解脱者として、たいていのことには動じず、むしろ喜びをもって接することができるようになったのは、そうした人生経験の積み重ねのおかげなのかもしれません。


 


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 しかし、こんな話だけでは武庫川の理論はたいしたことはなさそうに思えるでしょう。


「どこが斬新なのか」


と突っ込まれそうです(笑)



 そこで、例題。



 今回の「時をかける少女」では、高校生らしく恋愛がモチーフになっていましたが、もし仮に黒島結菜ちゃんが、


「奥さんと出会う前の時代へ戻ってあたしとつきあってください!」


と武庫川に迫ってきたとしましょう。



(え?何を言ってるんだ?って?? ・・・だから勝手に人生相談ですから、黒島結菜ちゃんには断りもクソもいれてませんが?)



 俗世の感覚だと、そこはたしかに分岐点です。 実際にドラマの中でも、結菜ちゃんは泊進ノ介に告白されるたびに時間を戻してはぐらかそうとします。


 似たようなネタは、細田版のアニメ映画でもありましたね。告白されないことにしてしまうという。



 しかし、武庫川は「過去に戻って恋愛をやり直す」ということは、やっぱりピンとこないのです。


 それよりもむしろ、「奥さんがいるのに、若い子とも付き合うという悶々とした体験をしながら、愛欲に苦悩する中年男性という生き様を体感する」ほうがよいのではないかと思うのですがいかかでしょうか?


・・・え?何を言うてるんだ?と思われるかもしれませんね。


 いやいや、こういう話は私が言ってるんではなくて、石田純一(都知事候補だった)が言ってるんです!!!!!



 「不倫は(そういう悶々とした体験が)文学作品に描かれたりしますよね」と彼は言っていたのです。



そう



「不倫は文化だーっっっ!!!!」



と。




 冗談はさておき、愛欲に生きてそのまま出家した瀬戸内寂聴さんも、似たようなことを実体験でやっているわけですが、人間というのは


「過去に戻って正解だけをチョイスできる」


存在ではない、ということは覚えておくべきです。


 不倫が良いか悪いかは一旦となりに置いておきますが、そうした過ちを含めて人は


「過去を抱えながら生きてゆくのだ」


ということも忘れてはなりません。



 現実世界では、あなたやわたしがやらかしたこと」は消えません。忘れようとすることや隠すことくらいはできますが、消えることは絶対にないのです。



 それを受け止めながら生きてゆくことも、また人生です。



 映画の話で言えば、高倉健さんは、そういう過去を抱えた人柄を演じるのがとてもすばらしい俳優さんでしたが、



 ああ、まるで俺は高倉健みたいだな!



 と、悦に入りながら今日のお話を終えることにいたしましょう。



(あいかわらず、無茶苦茶なことばかり言っている武庫川でございますが、何か?







 



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