2019年12月16日月曜日
宗教2世や毒親に育てられた子を救う方法。 その1 ~なぜあなたを誰も助けてくれないのか~
親子関係における問題というのは、それが近しい間柄で起きるがゆえに、難しい要素をたくさん抱えているものですが、今日はちょっと
ギョッ
とする記事をみつけてしまいました。
元事務次官息子殺害事件 DV対応の現実(アゴラ)
http://agora-web.jp/archives/2043239.html
引きこもりで、家庭内暴力であった息子を、めちゃくちゃ偉い人だったお父さんが殺してしまった事件についての話ですが、つい先日裁判の判決が出たところです。
その判決の内容や、その家族が「どうすればよかったのか」「どうできたのか」について考察した記事ですが、結論をズバリと言えば、
どこも誰も助けてはくれない
というオチなのではないかと戦慄しています。戦慄かなの。
家庭内に問題があれば、それを誰か外に助けを求めたほうがいいというのはよくわかります。
しかし、実態としては
■ 助けを求めても、高確率で、誰も助けてくれない
というのが現実なのだ、ということがさりげなく書かれているので、この話は恐ろしいのです。
この話は、別に今回のようにとりわけ凶悪な
『家庭内暴力を起こしている息子をどうしたらいいか』
に限りません。どこの家庭でも、おなじような
孤立無援
の状況は起きています。たとえば
『親にネグレクトされている子供はどうしたらいいか』
でも同じですし、
『毒親から逃れたい子供はどうしたらいいか』
でもおなじです。
『宗教2世で、親にすべてを制限されている』
でもいっしょですね。
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結論からいえば、こうした事態からあなたやあなたの家族を救ってくれる公的機関というのは、
ほとんど存在していないし、存在していてもあまり役にはたってくれない
というのがオチでしょう。それがなんとなく、あなたにも伝わっているし、気付いているから、事態はいっこうに好転しないわけなのです。
わたくし、解脱者・武庫川散歩は、その昔高校教諭をしていたので、児童福祉施設の運営や内部についても知っているし、「虐待されていた生徒」を警察などと協力して救出したこともあります。
そうした時に、実際の事件として感じたのもまた、「公的機関はあっても、そこに積極的に介入しようとする第三者の動き」がないと、何も進まない、ということでした。
ツイッターなどを見ていると、興味深いつぶやきが漏れ聞こえてくることがあります。たとえば、
Q「宗教2世の悩みについて、学校の先生はそれを打ち明けたら、解決の糸口になってくれるのだろうか」
といったものがありました。
それに対しての私の回答は、
A「理解を示してくれる教師もいるだろうが、保護者の権限は強大なので、そこから公的な立場で救い出すことはできない」
というものでした。ええ、物理的な虐待や育児放棄などがあれば、また別ですが、思想信条は自由なので、保護者の親権がある間は、それとは異なる思想信条で教師が動くことはできないわけです。
ですから、仮に、
「うちの親は毒親だから逃げ出したい」
と思っていても、公的機関でその逃げ場になってくれるところは皆無だとわかります。ええ、まったくないのです。
そうなると、家出女子は、ネットで知り合った見知らぬおっさんの家に、肉体関係と引き換えに居候するぐらいしか、生きてゆく術がないわけです。
これで、1人の人生が、大きくさらに狂ってゆくことになるのですね。
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この日本社会では、毒親に育てられたり、ネグレクトにあったり、あるいは宗教2世が救われる機関、というのはありません。
少なくとも、18歳もしくは20歳を迎えるまでは、強力な親権にガードされていて、なかなかそれを打ち破ることはできないわけです。
親がどれだけ間違っていたり、その考え方が問題であったとしてもです。
解脱者・武庫川の場合は、一時的に出家女子がわが家に避難してくることがありますが、その場合でもかならず、その女子の親の了解を取り付けています。了解なく出家女子が出家してくることはありません。
幸か不幸か、武庫川一家の家庭は、そうした問題を抱えた子供たちの私的な受け皿になっていることがあるのですが、可能であるならば、こうしたシステムを何がしかの公的な制度で実現できないものか、とも思いますが、まあ無理でしょう。
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というわけで、まず、これを読んでいる「今、宗教二世問題や、毒親問題で困っている若者」であるみなさんにとっては、第一段階としては厳しいものになりますが、
「自分の親や、現在の環境が、自然に解決することはないし、親はよい方向に変わってくれたりはしない」
ということを頭の片隅に置いておく必要はあるでしょう。
そして、
「公的機関や、なにがしかの救いの手が自分を助けてくれることもない」
ということが、さらにきつい第二段階としての事実であることも、わかっておくことが大切です。
この時、あなたが「したたかな」子であれば、とにかく18歳、もしくは20歳になるまで、経済的に自立できるまで「忍耐をしながら、あるいはやりすごす」という選択をすると思います。
あるいは、「メンタルが強い」子であれば、その時期が来るまでに、自分に力を養い、技量・力量両面で、家を脱出して自活する計画を建てるかもしれません。
幸せなのは、少なくとも成人して親の権限から離れることのできる未来が、その時期が
確実にやってくる
ことです。16歳なら2年後、もしくは4年後には、そのチャンスが必ず訪れますから、時間はたっぷりあると言えるかもしれません。
ところが、したたかではなく、強い心を持っていない子供の場合は、この期間に
「打ちのめされ、苦悩し、希望を失い、なげやりになってしまう」
ことが往々にしてあります。こうした経緯で、生き方を見失ったり、暴力に走ったりしてしまうわけですね。
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残念なことに、これらの子供たちは、自力で自分を救済することはできません。
第三段階の事実は、
「事態は自分ひとりの力では解決できない」
というものです。これもえげつないほど冷酷な事実です。
3つ揃って、とんでもない事態です。
■ 親は変わらない
■ 外部から助けはない
■ 自分ひとりでは解決できない
の三重奏ですから、
「わたしに氏ネというのか!」
とすべてをぶっ壊したくなるのも当然というものです。
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でも、心配はいりません。
たしかに、親も公的機関も、自分にも力がないことを知ると打ちのめされてしまうかもしれませんが、
ここに私がいます!
そうした状況である、ということをしっかり理解していて、かつあなたを応援したいと感じている私がここにいるので大丈夫です。
私はあなたの味方ですから、あなたが助かる方法について、真剣に考えています。この難しい包囲網を突破して、あなたが無事に
ひとり立ちして、のびのびと生きてゆく
方法を一緒に考えることができます。
そして、もしこれを読んでいるあなたが、今はひとり立ちしてしっかり生きていることができている大人であるのならば、
そうしたこどもたちを応援する
ことを、ぜひはじめて欲しいと思います。
親は変われないし、一人では救われないのだけれど、
外部からの助けに”あなたがなる”ことは可能です。
海賊王に、俺はなる!
くらいの勢いで、なってください。
次回は、ではどうやって実際に助けになることができるのかをお話しましょう。
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