先日の自己肯定感の話から始まって、前回は「母子がまったく別の人格である」というところまではお話しました。
もともとの話のスタートは「自己肯定感を持つには」というところからだったのですが、キリスト教文化圏では
「神様から与えられた尊い命だから、すなわちあなたには生きている絶対的な価値があるんだ」
というイメージが存在するよね、ということもお話した通りです。
しかし、私たちは日本人で、「キリスト教文化」に接している人はごくわずかです。解脱者武庫川は、その昔親がエホバの証人だったので、そうした思考を知ってはいるのですが、普通の人にとってはキリスト教の信仰の根幹なんか知ったこっちゃありません。
では、もしキリスト教色を排除したら、
人が生きている理由
を明確に定義することは可能なのでしょうか?
世界中で、飢餓や戦争が起きていて、何万人もの人が簡単に死んだり殺されたりしている中で、
「命は大事です」
と言葉で口にするのは簡単だけれども、それが上滑りしていることは、誰だって心の中で気付いているはずなのです。
そこで今日は、
それでもあなたには生きている価値がある。
君は、人類の最後の希望なのだ!
ということを、きちんと説明してみようと思います。
~~~~~~~~~~
そのヒントになるニュースが、ちょうど数日前に入ってきました。
“125歳超えは無理 人間の寿命に限界” 米研究グループ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161006/k10010719721000.html科学雑誌ネイチャーに掲載されたという研究報告で、人類は125歳が物理的に限界だろう、ということが示されたわけですが、(実際の最高齢は122歳)今後医療が発達しても
人の命には限界がある
ということは間違いなさそうです。
ちなみに、この研究は2つのポイントで理解したほうがいいでしょう。
「へー、人間って125歳までは生きられないんだって」
という素直な理解が一つ目のポイントですが、もう一つ大事なことが隠れています。
それは、この研究の詳細な内容を知るとよくわかります。
研究グループは実は「どれだけ寿命が延びるか」を見ているのではないのです。
彼らは、「世界の寿命がどのように延びてきたかを、カウントする」ということをまずやっているのです。
これは、とっても面白い視点で、結果は驚くべきものでした。
「人の寿命が、昔に比べて延びてきたと誰もが思っているが、最近まで伸び続けているのではなく、1980~90年代くらいで、頂点までいきついてしまった」
ということです。
ということはむしろ、直近の今は寿命が縮んでいたり、もう伸びしろがなかったり、頭打ちだったりしているということなのです!
武庫川は以前のブログ記事で
現代は、人類史上最も幸せな時代である
http://satori-awake.blogspot.jp/2016/08/blog-post_18.html文化的・経済的に人類の進化はピークを過ぎてしまったことに言及しましたが、まさか生物的にもピークが終わっていたことには驚きを隠せません。
~~~~~~~~~~
わたくし武庫川は解脱者ですが、解脱者だからこそ気付いたことがあります。
世界にはたくさんの宗教があり、信仰があるでしょう。そこではどれほどすばらしい教えが説かれているかは知りません。
しかし、ひとつだけ真実があって、それは
キリストもブッダもムハンマドも皆死んだ
ということです。どれが真実の宗教であったとしても、どれほど尊い教祖であったとしても
みんな死んじゃう
ということからは逃れられない!という事実です。
未だかつて、「いつまでも死なない人」が存在しない以上、
「死とは、受け入れるべきもの」
であるはずなのです。
~~~~~~~~~~
では、どうして人は死なねばならないのでしょうか?
どうして125歳までしか生きていられないのでしょうか?
基本的には、エントロピーの法則の通り、ということができるでしょう。
エントロピーの法則(熱力学の第二法則)においては、
「閉じた世界(外部とのエネルギーや物質の出入りがない空間)においては、エントロピーは減少せず、むしろ増大する」
ということは有名です。
これをもっと平たく言えば、
「モノは、一ヶ所に集まったり、何かを形作ったりしているよりは、均一にバラバラになりたがる」
ということになります。
つまり、すべての生き物は、最終的にはバラバラになり、聖書的に言えば「塵に返る」のですが、そうならないように生き物は一生懸命ごはんを食べ、エネルギーを外部から取り込むことで
「エントロピーの増大に歯向かっている」
のが、人生なのです。
もちろん、なぜ「老化」が起きるのかにはさまざまな説がありますが、基本はすべて同じだと考えてください。
① 生き物は、元素を一生懸命集めて、命を形成している。
② ほっとけば崩れそうになるのを成長機能や自己修復機能でなんとか頑張っている。
③ そもそも、無理やり形成しているので、その中にはエラーやらミスもある。
④ どんどん失敗が溜まってきて、どうしようもなくなる。
⑤ その最大年数をカウントすると、125年ぐらいで修復が不可能になる。
ということです。
~~~~~~~~~
125年経って、エントロピーが増大しまくりなので、いよいよ人生は終わりになりそうです。
そして、私たちは永遠に「土に還る」のですが、それでも生き物たちはあがきます。
「なんとか、未来への希望はないものか」
と。
そこで、生き物は、自分たちを形作るための「設計図」と、最小限の「設計図どおりに組み立てるプログラム」を作って、小さなカプセルに封じ込めて外に出すことにしたのです。
それが、卵ちゃんなのですね。
だから、すべての人には生きている価値がある。
あなたは、死んでいったすべての人類の最後のあがきなのです。
だからこそ、この世に生を受け、もう一度命を再結成する使命を帯びているのです。
しかし、それを言うなら、今生きているすべての人はみな「人類の最後のあがき」なんだから、
別にあたしが生きていようが、一人くらい死のうがどうってことないじゃない
とグレたことを抜かしてけつかる女子がいるかもしれません。
そういうややこしい女子は
抱きしめるぞこのやろう!
と思うのですが、それは一旦置いておいて。
次回は、そうではなく、「やっぱりキミは最後の希望なんだよ」ということを説明したいと思います。
こうご期待。
0 件のコメント:
コメントを投稿