2016年9月18日日曜日
【解脱者、セカイを語る 3】 キミたちが思い描いた理想は、まやかしで誤りだ! ~セカイは必ず破滅へ進む~
前回のお話は、「セカイの文化文明の発展は、ピークを迎えている」ということでした。
私たちは、「成長し、より良くなり、より発展し伸びることは正しいし、正義だ」と考えてきましたが、ピークを迎えたが故に、
「思っても見なかったことがわかった」
という場面に遭遇していることも事実です。
2つの例を挙げましょう。
長生きすることは良いことで、すばらしいことだと私たちは思い続けてきました。
ところが、いざ長寿世界一になってみると、フタを開けたら介護の問題やら、医療費の高騰やら、寝たきりやら認知症やら、
長生きすることがピークまで行ったことで判明した弊害
がどんどんと増えてきていることに気付かされています。
これに対する答えは
スウェーデンにはなぜ「寝たきり老人がいないのか」(現代ビジネス)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45510
という記事を読めばすぐにわかります。
簡単に言えば、「長生きは善ではない、適当なところでポックリ逝くのが真の幸せだ」ということなのです。
発展し、伸び続けることは善ではなかったのです。それよりも、子孫を残して次の代へ早く繋ぎ、子孫を繁栄させることのほうが大事だった、といいうわけです。
もう一つの例は「核」の利用です。
最強の兵器、核兵器に行き着いてしまった今、この兵器はまともに使われることはありません。
放射能による影響を含めて、「とんでもないこと」になるのがわかっているからです。
それどころか、原子力発電所から出たゴミを埋めるだけで
10万年管理
しなくてはならないことまでわかってきました。
ちなみに10万年といえばホモ・サピエンスが現世人類へと進化した期間と全く同じです。
人類の全ての歴史をかけてまで、「核」を利用するべきなんだろうか?
というものすごい問いがそこにあるのですが、セカイはみなそれに目をつむっているのです。
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この2つの例以外にも「これまでに良いとされていたことが、実は悪かった」ということは山ほどあります。
それほどまでに、善悪というのは定義できない難しいものなのです。
さて、それでは今日の本題に入りましょう。前回の終わりに、これからの時代は「ハルマゲドンで末法だ」ということをお話しました。第一回では「宗教に絡んだ対立が深まる」ということもお話しました。
そしてこの第三回では、
これから起きるであろう、世界の動乱
について語る、と予告していましたね。いよいよ、そのお話をしましょう。
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私達が思い描いていた理想の姿、「セカイ平和・平和なセカイ」とはどんなものだったでしょうか?
ワタクシ武庫川は今日のタイトルで、「理想はまやかしで誤りだ。そして破滅へ進む」ということを大々的に書きましたが、果たしてそれはどんな意味なのでしょうか?
現在の日本の教育では、「世界はグローバル化していて、若者はこれから世界に出てどんどん活躍して欲しい」とか、「世界中がみな仲良くして、平和な世界を作っていこう」とか、そういう理想論が今日も語られています。
しかし、現実は、ちょっと違います。今世界で起きているのはその理想とやや異なった現象なのです。
ある国の人間が、別の国の人間を自国に迎え入れる時は、そこにかならず「そいつは使えるかどうか」ということが裏に隠れています。
アメリカには面白い制度があって、日本人であるあなたがアメリカで働きたいときに、まず「優秀で何らかの技能があるからアメリカで活躍したい」と考えたとしましょう。すると、アメリカではこんな審査をするというのです。
「もし、アメリカに、同じ技能を持つ人間がいて、国内で人材が事足りる場合は、就労を認めず入国させない」
という審査です。
わかるでしょうか?あなたが「使える人材であればOKだが、そこらへんにいるアメリカ人でもいけるなら、アウトだ」ということなのです。
この考え方はとても大事ですから、覚えておきましょう。
異国で働くということは、すべて根底にこの考え方があり、これがグローバルであることの真実なのです。
逆に言えば、ヨーロッパで起きている移民問題は、これの変形バージョンだといえるでしょう。
つまり、こうです。
「あなたが、国内の人間よりも格安で使える人材なら、来ていいよ」
ということ。それが真実です。
(ちなみに、日本に出稼ぎや研修生で来ているアジア人の給料はおなじ仕事をしている日本人の3分の1です)
なので、「グローバル社会」とか「他の国の人と仲良く」といった表向きのことばの裏には、「海外や外国人から搾取し、格差を生む」という実態が隠れている、ということなのです。
こうした問題が、「移民問題や英国のEU離脱」などへと繋がってゆくのです。
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ではここで、もし仮にセカイが「理想主義者たちの理想どおりになったとしたら」ということを妄想してみたいと思います。
理想と現実が異なるから、グローバルなセカイはうまくいかないのでしょうか?それとも、やっぱりセカイはうまくいかないのでしょうか。
「世界のみんながグローバルな社会になって、みんなが活躍できるセカイ」
が実現したと仮定しましょう。
そのセカイは、たとえば
「アメリカには、白人と黒人とヒスパニックと中国人と日本人とアジア人とインド人が同じくらいいる社会」
ということになります。
(これは、意外と実現していますね。アメリカはもともと移民社会ですから、そうなります)
そして、そのセカイは
「アフリカにも、白人と黒人とヒスパニックと中国人と日本人とアジア人とインド人が同じくらいいる社会」
で
「フランスにも、白人と黒人とヒスパニックと中国人と日本人とアジア人とインド人が同じくらいいる社会」
で
「日本にも、白人と黒人とヒスパニックと中国人と日本人とアジア人とインド人が同じくらいいる社会」
で、スウェーデンも、スイスも、バチカンも、インドも中国もフィリピンもぜーんぶ、
「白人と黒人とヒスパニックと中国人と日本人とアジア人とインド人が同じくらいいる社会」
になる、つまり人種は均質化してゆくというセカイがやってくるということなのです。
アメリカは一応それで成立しているし、EU各国でも同じようなことが起こっています。
先進国は「それが一種の理想だ」と思っていますから、日本にも「もっと移民を受け入れて少子化対策をして、成長を維持するべきだ」という論調の人はたくさんいます。
現に、フランスには黒人がたくさんいます。リュック・ベッソンの映画でTAXIの主人公を演じたサミー・ナセリという俳優さんは、アルジェリア系移民の息子です。
フランスは6600万の人口のうち、700万人が移民系ですから、10分の一は既に異なる国からの来訪者が国民になっています。
日本は1億3千万の人口のうち、200万人が外国籍ですから、1.5%くらいなので、まだ実感としてわからないだけです。
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しかし、どの国家においても世界中の人種民族が混和して生活するようになれば、「フランスもイタリアもイギリスもみんなおんなじじゃん」ということが起きてしまいます。
だからそうなる前にかならず「フランス人は自分たちの結束を高めて他者を排除し」「イタリア人は自分たちの結束を高めて他者を排除し」「日本人は自分たちの結束を高めて他者を排除」するようになりはじめます。
かならず、そうなります。
そうした傾向を、いわゆるナショナリズムと呼ぶのです。
現に、今まさにセカイはその方向へ向かっていて、理想どおりどころか「各自の出自による対立」が深まり、争いが起ころうとしている、というわけです。
よって、人類のグローバルな世界平和は成立しません!
これはとっても大事なことなのです。
さて、対立が深まり、破滅へと向かっているセカイですが、その対立にはかならず「軸」となるものが根底に横たわっています。
これまでに
「宗教」という軸
「格差」という軸
そして、今回「人種や民族」という軸
についてちらりと触れました。
しかし、セカイを形作っているのは、それよりももっと重要な「軸」であることがわかってきました。
このセカイを突き動かしている軸とは、いったい何なのか。
そして、その軸を把握すれば、セカイの動向が一目瞭然に分かり、あなたがこのセカイでどう生きるべきかがわかるという強固な軸です。
次回は、そのお話をすることにいたしましょう。
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